第2回「盲導犬ベルナ」読書感想文コンクール
小学校中高学年の部(3,4,5,6年生)――童話シリーズ

優秀賞

「こんにちは!盲導犬ベルナ」を読んで

東京都千代田区麹町小学校 四年 岡部達美


 わたしのお父さんには、親友がいます。ほりこしさんのおじさんです。おじさんは、生まれたときから目が見えません。でも、おじさんは『できない』ということばが、大きらいです。おじさんは、フランス語の学者です。
 わたしは、ななえさんの顔は見たことはありません。でも、もしかしたら、ほりこしのおじさんみたいな人ではないかと思いました。
 ななえさんが二十歳をすぎて目が見えなくなった話を知り、わたしはおどろきました。わたしも病気で、そうなるかもしれないと思ったからです。でも、わたしがそうなったら、ななえさんみたいに、ゆめをもてるかな。不安で、ゆめどころではないと思いました。
 犬が、「死ぬほどこわかった」というななえさんの気持ちが、わたしにはよくわかりました。わたしも、小さい時、犬に追いかけられ、泣きました。でも、ななえさんは負けません。ベルナと苦しい練習をしてまでお母さんになるというゆめをもち続けたのです。わたしは、すごいゆう気のある人だと思いました。そのゆめも、わたしとはちがって、すぐかんたんにかなうゆめではありません。いえ、目が見える人でも、さい近のテレビや新聞がとり上げているように、きちんと子育てしない人がいます。それを、目が見えないつらさにたえながら、がんばることをえらんだのです。それこそ、わたしは、ゆめ、ほんとうのゆめだと思います。
 でも、現実はきびしいでした。どこに行っても、もうどう犬を中に入れてはいけないと言うのです。その度に、ななえさんは、「もうどう犬は、目の見えない人のかわりなの。それでもだめですか。」と言わなければなりません。それなのに、ななえさんは、一度ことわられたきっ茶店に行きます。ことわられたのに、どうして行くのかな。わたしにはできないと思っていました。でも、なっとくさせてしまいました。『できない。』と、すぐ言ってはいけないと思いました。
 わたしのゆめは、文学者になることです。たくさん言葉を勉強して、人に感動をあたえられるような人になることです。でも、そうとうむずかしいことだと思います。でも、ななえさんがゆめをかなえたことを考えれば、わたしがゆめをめざして、ど力するのはあたり前だと思いました。
 わたしは、この話を読んで、すごくゆう気をもらったと思います。だから、わたしは、たとえ自信をもてなくても、ゆめをかなえるのがむずかしくても、ななえさんみたいに、ゆめに一つずつ近づくど力をしたいと思いました。わたしは、ななえさんのように、ゆめをぜったいにすてないで、がんばりたいと思います。
 ほりこしのおじさんが、いつも言うように、「できないと思ったら、楽だよ。でも、ぜったい言わないよ。必ずできるようになるからね。」とわたしも思うからです。



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