女性セブン 2002年10月2日号

病気になるかもしれないペットフードが
消費者に知らされることもなく売られている!

著者をたずねてみました…坂本徹也さん

関連書籍


 「ペットの命を守る」の著者、坂本徹也さんが、女性セブン10月2日号で紹介され、ペットフードの問題点を語っています。

「ペットフードを買うときに、ラベル表示を確認して安全なものを選んでいるという飼い主がいますが、そんなことをしてもあまり意味はないと思います。なぜならペットフードのラベル表示には、なんの規制もないのですから」
「たとえば『エトキシキン』は人間の食べ物に入れることは禁止されている酸化防止剤で、除草剤として利用されることもある毒性の高いもの。また「BHT」は肝臓の損傷や胎児の異常をおこす疑いがあり、『亜硝酸ナトリウム』は発ガン性が指摘されている。どれもペットフードの保存期間を引き延ばすためによく使われているものなのです。これらの酸化防止剤は強力だから。そしてペットフードにとって酸化防止剤は必要悪の存在だからです」
「かさを増すためにピーナッツの殻を砕いて混ぜたりして、それを食物繊維と表示していたケースがある。また、ある調査で、ラベルに『牛肉』と書いてありながら、牛どころか豚や鶏や羊も検出されず、結果として何の肉が使われているのかわからなかったという調査報告もあるようです」
「ペットフードに使われる肉は、人間の食用に適さないクズ肉から成り立っている。そのなかには、腐った肉や病気になった動物の肉、はては道端で死んだ犬や猫の肉まで使われているというケースまである。ペットフードにペットの肉というのは笑えない話ですよね」
「ガンやウイルスに感染した動物の肉が使われたペットフードを食べることで、そのペットが病気になる率が高まると指摘する獣医学博士もいる。地球資源の有効利用とはいっても、それを食べると病気にあるかもしれないペットフードは道義的にいかがなものかと思います」
「ペットフードに添加物が使われるのも、余り物のクズ肉が使われることも、ある程度は仕方がない。でも、そうした事実を消費者は知らされていない。それがいちばんの問題です。メーカーが自社の製品に責任をもつなら、そうした事実を消費者に公開し、その上で買うか買わないかの判断を任せるべきです」
「できる限り、そのペットフードを作っている人と対話してみる。それが無理なら販売の責任者と直に話す。原材料は何が使われているのか、その仕入れ先はどこか。また添加物は何が入っているのか、とくに酸化防止剤は何を使っているのかなどを質問してみる。そのやりとりのなかで、答え方を聞いて、ある程度信用できると思えるフードを自分の目で選ぶしかない」
「この本には、そのメーカーに取材した内容も書いてありますが、そのフードがいちばんといいたいわけではない。あくまで読者の皆さんひとりひとりが自分の考えで判断してほしい。自分の愛犬や愛猫にどんな食事を選び、どう向き合って暮らしていくのか。それが飼い主の哲学といえるものです」
「作り手や店員と対話しながらペットフードを選ぶことで、消費者の声がメーカーに伝わっていけば、企業としても対応せざるを得なくなる。つまり飼い主ひとりひとりが問題意識をもち、その姿勢を企業に示していくことが、この業界を変える原動力になると考えます」

 


ハート出版