読売新聞2007年1月21日

「いのちの鼓動が聞こえる」書評

 

「いのちの鼓動が聞こえる」(池田まき子著)
命をかけて海外に渡り、臓器移植を受ける子どもたちがいる。日本では15歳未満での臓器提供は認められておらず、子供の患者は移植を受けられないからだ。
和歌山県の小学3年、井辺美摘ちゃん(9)もその一人。本書は重い心臓病と診断され、2005年6月にドイツで心臓移植を受けた彼女の闘病の様子を描いた。
「今、わたしと同じような病気で入院している人たちも、ぜったい負けないで下さい。苦しくて、いたくて、とても悲しかったけど、がまんしていれば、きっと神様がお手伝いしてくれます」
このような彼女の言葉には、「命の大切さ」について読者に考えさせる強い力がある。子どもたちにも読めるよう、文章中の漢字にはふりがながふってある。

読売新聞2007年1月21日

 


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