別院 一郎(べついん いちろう)

 

陳登元氏の留学生時代に日本語の個人教授を務めていたことが縁で、前著『敗走千里』の原稿を受け取る。預かった原稿は大いに出版の意義ありと判断し、必要な訂正を加えた上で、昭和13年3月に、訳者という形で刊行。『敗走千里』は、またたく間に100万部を超えるベストセラーとなったが、陳登元氏はその後、消息不明に。『督戦隊』は、彼が残した資料を基に、別院一郎氏が著者となって新たに書き下ろされたものである。戦後、GHQ(連合国軍総司令部)は『敗走千里』を「宣伝用刊行物」に指定、その結果、日本国内における、個人と図書館の蔵書を除くすべての本が、当局によって没収され、廃棄されている。

(※書籍刊行時の情報です)