ルイ・ラマカース(Louis Raemaekers)1869 - 1956

 

オランダの風刺画家。
ドイツ軍のベルギー侵攻後、新聞紙上でベルギーにおけるドイツ軍の残虐行為を生々しく描写し、ドイツ人を野蛮人の如く描いた。彼の作品は、オランダの中立を危険にさらすものとして政府から警告を受ける。その後活動の拠点を英国に移すと、彼の作品展は大盛況となり、新聞に掲載された作品も話題となった。英国の戦争宣伝局はラマカースに接触し、彼の作品を用いて反独プロパガンダの世界的展開を行った。『Raemaekers Cartoons』は18カ国語に翻訳され、世界中に配布された。作品展も世界各国で開催され、その作品は画集、小冊子、ポスター、絵葉書、トレーディングカードとなって大量に流通した。米国でも二千を超える新聞数億部に作品が掲載され、米国における反独世論の形成に多大な影響を与えた。このラマカースの作品の世界的普及は、第一次世界大戦における最大のプロパガンダ活動とされる。


(※書籍刊行時の情報です)