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■ ハート出版のペットの本 ■


のら犬のクラスメイト

振り向けばいつもそこにいた


池田浩子 著  2000.04.19 発行  

ISBN 4-89295-156-0 C0036 四六並製・225頁・定価 1430円(本体 1300円)

 

内容紹介

のら犬のクラスメイト…大人と子どもの狭間にあって、「自分ができること」「飼い主としてではなく、野にあるまま、共に生きていくこと」を模索していた、少女と犬の心の交流を描いた物語

 

 今から約20年前の宮崎県延岡市。山あり海ありの自然に恵まれた場所に、野良犬の親子が住んでいた。
 ひょんなことからその親子と知り合った少女たちは、親子との交流から、様々なことを学んでいく。
 大人と子どもの狭間にあって、「自分ができること」、「飼い主としてではなく、野にあるまま、共に生きていくこと」を模索していた、少女と犬の物語。

 

まえがきより

  現在過ごしている一日を、あのころの一日に交換できないものかと、ふと思うことがある。しかし、それは悔いではなく、あのころ日常だった日々のできごとが、懐かしくいとおしく思い出され、たまらなく会いたくなるのだ。あの犬に。

 中学三年間の思い出はその犬なしでは語れない。教室や体育館、校舎や中庭を思い出すよりも、プール裏の古い小屋を鮮明に思い出すことができる。「親」はそこにいついた野良犬だった。

 少し不思議なその名前の由来は、彼女が母親であり、親友でもあったからだ。

 今でも親のことを思い出すと、ひどく切ない気持ちになる。私は親から多くのことを学んだ。至福のときをもらった。そして、知りたくなかった現実も知った。

 人間にとっては、危険で役にも立たず、邪魔な存在でしかない野良犬。実際、彼女やその子どもたちも、「野良犬というだけ」で多くの苦しみと悲しみを味わった。人間にとって野良犬は「存在すること自体が罪」なのである。

 野良犬は最初から野良犬だったわけではない。好きで野良犬になったわけでもない。心ない人間によって、意に反して野良犬にさせられたのである。その野良犬を「存在すること自体が罪」と断じることは私にはできないし、その考え方自体を認めたくない。彼らは、人間至上主義の犠牲者なのである。

 そもそも人間は、開発と称した自然破壊によって、多くのほかの動物たちのすみかや生命を奪ってきた。それは、動物たちが人間に危害を加えようとしたからではない。ただ、人間の生活に邪魔だったからである。人間はこうしたことを繰り返して、今の繁栄をつくったのだ。

 しかし、かくいう私だって、その恩恵は受けている。だから、文明すべてを否定しているわけではない。人間はこれまで、野生動物に「排除」という方法で対応してきた。その一方で、私は「共存」という方法があるのではないかと思っているのだ。「排除による繁栄」は排除された動物のことを思うと、納得できない部分が多いが、「共存による繁栄」なら私は喜んですべてを受け入れたい。では、本当に人間と野生動物は共存できないのだろうか?

 私は当時中学生だった。子どもゆえの甘えがあったし、実際子どもだから許されていた部分も多いと思う。しかし、この三年間の記録は、私なりの動物との「共存」だったといえる。

 私が当時とった行動すべてが正しかったとは、今でも思っていない。しかし、たしかに私はそのとき、野生動物と共存していたのだ。この記録が、今後の人間と動物のあるべき方向に対し、少しでも参考になればうれしい。

 記憶や記録をたどりつつ、親と過ごした三年間を、事実のままに書いたつもりである。それは一匹の野良犬が精一杯生きた証として残したかったし、人間である私の謝罪でもある。

 

 この本がもし、せめて少しでも人間の犠牲となった動物たちの鎮魂歌となればいいと思っている。そして、これ以上、不幸な動物が増えないようにと願ってやまない。

 

目 次

 

はじめに――野が良い犬「親」 
濡れねずみの出逢い 
再会と出産 
「捕犬処」の恐怖 
静かな怒り 
守りたい犬 
憂鬱と刹那主義 
親の妊娠 
二度目の出産 
親の隠れ家 
生きるために必要なもの 
いつもの脱走 
引っ越し 
約束 
てんてこ舞いの日々 
虚構と現実 
祭りのあと 
しっぽがない私 
一つの別れ 
親のやさしさ 
一途な心 
親の奇妙な行動 
育つ権利 
親子のきずな 
一生の道しるべ 
十犬十色 
「好き」 
野生の血 
「におい」が好き 
おいていかないで 
野犬狩りの恐怖 
旅立ち 
新しい日々 
初めての海 
二つのケンカ 
犬の幸福 
再会そして決別 
逃げたい 
最大の危機 
気配りをする犬 
子どもでいい 
そばにいてくれるだけで 
残映 
親の思い出 
死に場所? 
犬は犬 
人は人 
犬の言葉 
親から教えてもらったこと 
認めたくない 
おわりに――走れ!親 
 

 

 

著者紹介

■ 池田 浩子(いけだひろこ) ■

 

1966年宮崎県延岡市生まれ。販売業。現在、大分市在住。趣味は、書くこと・ひとり旅・カメラ・山登り。 夏になると南の島に行く習性あり。カメラは必需品。
  受賞歴: 日本動物児童文学賞「生きる仲間(ガラクタ置き場のたからもの)」 その他活字化された原稿に「席がえドキドキ四年生(安田くんについて)」(ポプラ社)がある。

 

読者の声

 

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