犬本・読書感想文 最優秀賞

捨て犬ポンタの遠い道を読んで

和賀 智大 (福島県いわき市 10才)


 この題名を読んだとき、ぼくは捨て犬が旅をする話だろうなと思いました。でも、読み終えたあとは、人間がとてもひどく自分勝手だと思いました。だからぼくは、人間がむやみに犬をいじめたり、かんたんに捨てたりしない世の中になってほしいです。
 今までは、のら犬はこわくてきたないし、かみつくからほけん所に連れていけばいいのにと思っていました。だけど本を読んだ後は、そう思わなくなりました。なぜなら、ほけん所に行っても犬は幸せになれるどころか、逆に殺されてしまうということがわかったからです。
 この間、テレビでイギリスののら犬の話を見ました。イギリスでは、かい犬に全てマイクロチップというものがついているそうです。それは、犬の名ふだのような役割をしていました。だからかい犬がにげ出してそのままのら犬になってしまうということはないそうです。また、事情がありかえなくなった犬やのら犬がいたら、新しいかい主をさがしてもらうことのできるしせつがありました。
 日本でもイギリスのようになれば、ポンタのような悲しいめにあう犬が減るのではないでしょうか。しかも、日本ではそのようなせいどが無いので、ほけん所で殺されてしまう犬が年間七十四万三千頭もいるそうです。ぼくは、犬があまりにもかわいそうだと思います。犬をいじめる人や捨てる人は犬の気持ちになって考えてほしいです。だって、犬たちがつらい思いをするのは、人間の身勝手のせいなのだから…。
 そして、犬をかっている人もせっかく育てた犬をとちゅうで捨てないでほしいです。それは、家族を捨てるということと同じだと思います。だからぼくは、どうしても事情がありかえなくなってしまった人は、新しいかい主をきちんとさがすべきだと思います。犬をかうならかうで、せきにんをもって育てるべきです。何も考えずにただかわいいというだけでかってはいけないのです。
 動物は生き物です。ぼくたちと同じ地球に住んでいる仲間です。だから、だれにもわからないからといって、いじめたり捨てたりする人と、家族の一員として動物とつきあっている人の心の色は全くちがうと思います。この話に出てきたポンタも、色々な人と関わりつらく悲しい思いをしたけれど、最後にはよい人にめぐり会えてよかったとぼくもホッとしました。
 ポンタのつらい生活は、幸せをつかむまでの遠い遠い道だったと思います。その先には必ず幸せがあることを、ぼくはずっといのっていました。ポンタが幸せをつかんだとき、ぼくはポンタが勇かんで強い犬だと感動しました。
「ポンタ、やさしいかい主さんにめぐり会えて本当によかったね」

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