犬本・読書感想文 優秀賞

もうラッキーはいらない

高井 俊宏 (栃木県小山市 12才)


 人間の命と動物の命とは、どこが違うのか分からない。人間の病気を治すために、健康な動物の体に何度もメスを入れて、悪い菌で病気にさせるのは、悲しいことだと思う。ラッキーは、美紀さんに出会って、助けられた。でも、ラッキーのように実験に使われている動物は、まだたくさんいると思う。
 ただ可愛いからといって犬を飼い始める人がいるけれど、生き物を飼うということは、家族が増えるということだ。旅行をがまんしないといけないこともあるし、お金もかかる。当たり前のことなのに、途中で、「世話できないよ」 と言って、ゴミを捨てるように動物を捨てる人には、動物と暮らす資格がない。
 実験動物には、生まれたときから、運命が決まっていて、外の世界を知らずに、優しくなでてもらったり、名前も呼ばれることがないまま、殺されてしまう動物がいるのが現実だ。人間も動物も幸せになるために生まれてくるはずだ。辛いことばかりで、生命の終わりまで決められてしまうなら、あまりに悲しすぎる。「何で生まれてきたんだよ」 と思わずぼくは声を出した。
 ぼくの家でも、マリーというビーグル犬を飼っている。家族の一員として、家の中で暮らしているから、ラッキーと美紀さんの心が通じているというのがよく分かる。犬はどんなときでも側にいて、まっすぐぼくを見ていてくれる。体は温かいし、心臓はしっかり、「ドクン、ドクン」 と動いている。
 しかしビーグル犬は、人間と個体差が少ないので、はんしょくさせて、実験動物として使われることを知ったとき、マリーを抱っこして泣いてしまった。でも、マリーは実験動物ではないから、「マリー」 と声をかけられると、誰にでもしっぽをふって寄っていくくらいに、人間が好きだし、可愛がられている。
 ラッキーのように、犬舎でふるえながら、実験材料にされている犬がいてはいけないと思う。名前の代わりに番号を付けて、まるで品物のように扱い、「人間のためにやっていることなんだから」 と言って多くの動物たちをぎせいにするのは間違っている。動物は、痛みを感じないとか、心がないと本気で思っているのだったら、動物と暮らしてみればわかる。人間のためだけにやる動物実験なんて、なくなってしまえばいい。

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