第2回「盲導犬ベルナ」読書感想文コンクール
小学校中高学年の部(3,4,5,6年生)――童話シリーズ

佳作

「盲導犬ベルナ」を読んで

東京都葛飾区立よつぎ小学校 四年 林史恵


 とても仲のよい家族だ。
 お父さんの幸治さん、お母さんのななえさん、「弟」の幹太くん、そして「おねえさん」のベルナ―そう、盲導犬のベルナは、まさに「おねえさん」なのだ。弟の幹太くんのことを心配したり、時にはひがんでイタズラをしてみたり、「兄弟ゲンカ」をしてみたりと、まるで人間みたいだ。
 お母さんのななえさんの「目」となって、いつも一緒に行動していることによって、ななえさんの目の代わりというよりも、それ以上に一心同体という感じだ。それくらいでないと、人間の目の代わりはつとまらないのかなとも思った。確かに、そのくらい一体であれば、安心して任せられるだろうな。
 たまたま私のまわりでは、盲導犬をつれた人をみかけることが少ない。だから考えたことはなかったけれど、目の不自由な人たちがくらしやすい社会になってきているのだろうかと、ふと思った。
 この話でも、幹太くんが保育園から帰ってきて泣きながら「目の見えないお母さんなんか、キライだ。」という場面がある。ななえさんは、「目が不自由な私のせいでいじめられたんだわ。」と自分をせめる。最近では、学校でも教えるし、「めくら」という言葉を使わなくなってきているとお父さんに聞いたことがあり、差別みたいなことはなくなってきていると思った。でも心ない一部の人たちに、まだ、そういういしきが残っているのだろうか。すごく悲しいことだ。駅などでもエスカレーターやエレベーター、車いす用のレールができているし、道路でも人の歩く歩道とのだんさが、どんどんなくなってきている。足の不自由な人たちへのこのような気配りと同様、目の不自由な人たちへの気づかいも進めてゆくと良いと思う。盲人用の信号もふえてきてはいるが、さらに目の不自由な方に便利なきかいとかができればいいと思う。
 そんなことを考えながら読み進めていた時、次のシーンでハッとした。
 ななえさんが幹太くんの遠足でベルナをつれて動物園に行こうとした時のことだ。「盲導犬もいいですか?」と聞くななえさんに、動物園の人が「ライオンや虎がどうなるかわからない。」と言ってことわるシーンだ。動物園の人が冷たいかなと思う一方、確かにライオンがこうふんしてオリの中であばれたりしたらきけんだ。
 同じように、目の不自由な人がくらしやすい社会と言っても、私たちの見落としがちな点がたくさんあると思う。本当の「くらしやすさとは何なのか。」それを私たちがたゆまず真剣に考えてゆくことが、天国に行ったベルナにむくいることになるのではないか?
 さようなら、ベルナ!



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