フラガールと犬のチョコ

東日本大震災で被災した犬の物語

祓川 学 著 2012.07.24 発行
ISBN 978-4-89295-912-7 C8093 A5上製 156ページ 定価 1404円(本体 1300円)
小学校中学年以上向き
第46回岩手読書感想文コンクール 小学校中学年の部 課題図書

がんばっぺ福島!福島県の現実の一部がわかる感動童話

フラガールと犬のチョコ

福島県双葉町で生まれ育った大森梨江さんは、県下最大のレジャー施設「スパリゾートハワイアンズ」のダンシングチーム“フラガール”の一人です。

小学生のときに見たフラガールたちの華麗なダンスに魅了され、「フラガールになる!」と決意した梨江さんでしたが、そのためには血のにじむような努力が必要でした。挫折しそうになることもありましたが、そのたびに励ましてくれる愛犬チョコが、彼女の心の支えとなり、ついに夢を叶えることができたのです。

しかし、2011年3月11日、東日本大震災が発生、未曾有の大災害は、梨江さんの実家のある双葉町も襲いました。梨江さんの実家は、福島第一原発からわずか2キロの距離にあります。
震災の日の夜、町のスピーカーが「緊急退避」を放送、消防士たちから「早く、逃げてください!」と追い立てられ、双葉町の町民全員がほとんど何も持たずに、家を飛びだすように夢中で逃げるしかありませんでした。

この時、多くの動物が置き去りにされました。チョコもです。

翌日、福島第一原発で爆発事故が発生、危険な放射性物質が大量に放出されてしまいました。
そのため、双葉町は『警戒区域』に指定され、立入禁止となってしまいました。避難した人たちは、今度は家にもどることができなくなってしまったのです。

動物を置いてきた人たちは、まさかそんな長期間、家に帰れないとは思ってもみなかったので、残してきた家族同然のペットのことがとても気がかりでした。梨江さんやその家族もそうです(大変悲しいことですが、政府の無策の影響は、被災者だけでなく、これらの動物たちにも及びました。残された動物の多くが餓死したのです)。

震災後、梨江さんたちフラガールは、「復興」を合い言葉に、避難所を慰問して被災者を励ますなど、全国各地を回っていました。
その間も、ずっとチョコのことを忘れることはなかった梨江さんですが、動物を救済するボランティアの人たちに保護されたチョコと、奇跡的に再会できる日がきたのです。

目次

プロローグ

東北のハワイ
チョコがやってきた
フラガールになりたい
平成二十三年三月十一日
みんな、どこへいったの?
ごめんね、チョコ
ふるさとの力になりたい
チョコの冒険
生きていて、チョコ

エピローグ


平成23年3月30日原子力災害対策本部発表資料より
平成23年3月30日原子力災害対策本部発表資料より

チョコにいったい、何が起こったのか?


ありがとう!フラガール
自分の家族も被災者である梨江さんは、同じふるさとの人たちが避難している元高校の校舎を訪れ、 仲間たちとフラダンスをおどりました。そして多くの被災者たちが、感動のなみだを流したのです。

ココダ街道と周辺地域
震災から約1年、平成24年2月8日、福島県いわき市にあるテーマパーク『スパリゾートハワイアンズ』が完全復活して、フラガールたちが舞台にもどってきたのです。
ココダ街道と周辺地域
フラガールたちの華麗なダンスに、大歓声と大きなはく手が開場にひびきわたりました。

ココダ街道と周辺地域
愛犬チョコが心の支えとなり、きびしい練習を続け、フラガールになるという夢をかなえた梨江さん(中央)。

 

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