大東亜戦争は日本が勝った

英国人ジャーナリスト ヘンリー・ストークスが語る「世界史の中の日本」

ヘンリー・S・ストークス 著 藤田 裕行 訳・構成 2017.04.27 発行
ISBN 978-4-8024-0029-9 C0021 四六並製 288ページ 定価 1760円(本体 1600円)

はじめに

大東亜戦争は日本が勝った

のっけから宣伝で恐縮だが、拙著『英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄』(祥伝社新書)の英語版が、昨年晩秋、アメリカの出版社ハミルトンブックスから出版された。アメリカとイギリスで出版されている他、アマゾンでも購入できる。
英語版のタイトルは、『Fallacies in the Allied Nations' Historical Perception as Observed by a British Journalist』だ。世界中の多くの方々にお読み頂きたい。
私が目を見張ったのは、その本の裏表紙に書かれていた私の本の紹介だった。その書き出しはこうだ。

In 1941, Imperial Japan rapidly brought an end to the British Empire in Asia. Because a non-white race dared to upset the white colonialists status quo in Asia, the British resented the Japanese long after the war.
(一九四一年、日本はアジアで大英帝国を瞬く間に滅亡させてしまった。非白人が、白人がアジアで展開した植民地支配を覆したのだ。このため日本人に対する憎悪は、戦後も長く続いた。)

この短い要約は、出版社がまとめたものだ。しかし、その要約は私が本当は何を伝えたかったのかを端的に示していた。それは連合国戦勝史観の「虚妄」とは、何であるかということだ。
本書で、私はその「虚妄」を論じた。
対日戦争は、我がイギリスが勝利した戦争ではなかった、ということだ。

日本軍は、大英帝国を崩壊させた。
イギリス人の誰一人として、そのようなことが現実に起ころうなどとは、夢にも思っていなかった。それが現実であると知った時の衝撃と屈辱は想像を絶するものだった。
唯一の文明世界であるはずの白人世界で、最大の栄華を極めていた大英帝国が有色人種に滅ぼされるなど、理解することのできない出来事だった。『猿の惑星』という映画があったが、まさにそれが現実となったような衝撃だった。
人間(=西洋人)の真似をしていた猿が、人間の上に立つ。それが現実となったら、どのくらいの衝撃か想像できよう。日本軍は、それほどの衝撃をイギリス国民に与えたのだ。いや、イギリスだけではない。西洋文明そのものが衝撃を受けた。

私は、講演で何度も、この五百年の歴史は、「白人が有色民族を植民地支配した歴史だった」と、そう語ってきた。
その五百年の歴史を覆し、大英帝国を滅ぼしたのが日本であるならば、その意義はもっと大きなスパン、世界文明史のような観点の中で再定義されてしかるべきだ。
世界史では、様々な王朝や国家が勃興しては滅亡していった。征服につぐ征服、侵略につぐ侵略が、世界史でもある。
その中で、特異な存在として浮かびあがる日本の姿が私には見て取れる。
この国は、その大国の興亡の中で、永遠の太古からずっとひとつの文明がひとつの流れとして、征服されることなく二十一世紀の今日まで続いているのだ。
もし日本が大東亜戦争を戦わなかったら、他のアジア諸国と同様に白人列強の植民地となっていたかもしれない。
もし日本が大東亜戦争を戦わなかったら、アジアにはいまだに欧米列強の白人が支配する世界が広がっていたかもしれない。
そう考えてみると、大東亜戦争は「侵略戦争」であるかどうかなどという些末な議論を超えて、もっと大きな世界文明史的な意義が見いだされよう。
つまり、白人列強による世界支配を終焉させ、人種平等の世界の実現へと舵を切らせる歴史的偉業を果たしたのが、日本が戦った大東亜戦争だったということだ。

これから未来に生きる日本の子供たちや、まだ生まれてこない未来の日本人のために、私はメッセージを伝えたい。
日本は、世界を侵略した犯罪国家ではない。世界を侵略していたのは、この五百年をとれば白人列強諸国だった。日本はむしろ、その残虐非道な白人の世界侵略を覆した「正義の国」なのである。
それは白人キリスト教徒の史観からすれば、白人キリスト教世界の支配を覆した悪魔の所業であった。
歴史というのは、その立ち位置で認識も違ってくるものなのだ。歴史認識は重層的でもある。
ただ繰り返すが、日本人が欧米キリスト教徒の史観を唯々諾々と受け入れることはない。日本は、日本の立場をこそ世界に向けて発信すべきなのだ。
特にマッカーサーによる占領後七十余年の日本は、連合国戦勝史観で自らを洗脳し、呪縛してきた。
私がいま訴えたいのは、「その呪縛から解放されよ!」との一点である。
世界史の中での日本の来歴と大東亜戦争の意義を再考しようではないか。
また、世界史を日本の歴史と比較して再検証してみようではないか。
その時にはじめて、いままで日本人も白人列強の国々の側にいる者も、気づかなかった大東亜戦争の姿を目にすることができるようになる。
日本人が、大東亜戦争を誇りをもって語れる日の到来することを祈念して!

ヘンリー・スコット=ストークス


本書の紹介動画です



目次


はじめに

第一章 日本が戦ったのは「太平洋戦争」ではない!
日本は本当に敗戦国だったのか?
大英帝国を滅ぼしたのは誰か?
大東亜戦争に勝ったのは日本だった!

第二章 「太平洋戦争」史観で洗脳される日本
大東亜戦争の果たした世界史的な偉業
日本が閣議決定した正式な戦争名を、日本のメディアが使えない
アジアを日本が侵略した?
『人種戦争』が描く、大東亜戦争の姿
世界で最初に、人種平等を訴えた日本
有色人種に同胞意識を持っていた日本
『人種戦争』による日本の戦争の大義
中国人は、日本軍を救世主と崇めた
日本軍を手助けし、イギリス人と戦った中国人
全く逆転した人種の立場
日本はアジアの「希望の光」だった

第三章 日本は「和」の国である
日本人は、対立概念を超克しようとする
神道は「エコ信仰」──二十一世紀の「世界の信仰」のモデル
『古事記』に描かれた宇宙創始の世界
日本では、神々も相談して物事を決める
日本に民主主義をもたらしたのは、アメリカではない!

第四章 世界に冠たる日本の歴史
古代からひとつの王朝が続く日本
産経新聞の『歴史戦』コラムで取り上げられる
物事は、見る人によって違って見える
日本を西洋の尺度で測った愚かさ
日本が世界に誇れる「万世一系」
天皇によって一つの王朝を続けてきた日本
先史時代の文明が断絶されているアメリカ
地政学的に似ている日本とイギリス
四千五百年前の遺跡「ストーン・ヘンジ」
五千五百年前に地上六階建てのマンションと同じ高層建築物を建てていた日本
世界四大文明よりも古い日本の文明
旧石器時代から侵略されることなくずっと民族が続いて現在に至る国
日本には、世界を驚愕させる古代からの来歴がある
神武天皇は、実在した!

第五章 オリエントにあった世界の文明と帝国
千年、万年のスパンで見なければわからない
日本文明を独立したものと位置付けたハンチントン
かつて偉大な文明は全てオリエントにあった
混迷するイラクは、聖書の地
古代メソポタミアの民族興亡
独立し安定していたエジプト文明
ギリシア文明は、西洋の文明にあらず
ペルシア戦争とギリシア文化の広がり
古代ローマとエジプトの接触
短期間に巨大帝国となったイスラム
「ユーラシアの覇者」モンゴル帝国
インド・ムガール帝国の興亡

第六章 侵略され侵略するイギリスの歴史
侵略されることから始まるイギリスの歴史
ブリタニアの時代のブリテン島
イギリス人の神話としての『アーサー王物語』
ブリテン島におけるキリスト教の歴史
イングランド王国の誕生とその波乱の歴史
ブリテン島をめぐる四カ国の歴史
ノルマン朝とイングランド王ヘンリー一世
イギリスとフランスの関係を語る「二重王国」と「百年戦争」
大航海時代の幕開け
帝国を築く礎となった海賊たち
清教徒革命の勃発
イングランド共和国の樹立
軍を抑制し始めた議会
王政復古とその条件
なぜ王政は、危機に陥ったのか
国王の権力と暴力革命を抑制したイギリス議会
太陽が沈まない帝国の誕生
英仏によるインド争奪戦
世界で始まった大英帝国による覇権戦争
大英帝国の日本侵略「長崎フェートン号事件」
支那で勃発した「アヘン戦争」
インドにおけるイギリス植民地支配への抵抗運動

第七章 アメリカの「マニフェスト・デスティニー」
「先コロンブス期」の南北アメリカ
アメリカ大陸を植民地化したノース人
秀吉の「伴天連追放令」の背景
聖書の神のモーゼへの命令
鎖国政策を取った幕府の鋭い外交方針
ローマ法王によって、加速された大虐殺と奴隷制度
新大陸で悲惨に酷使された黒人奴隷
奴隷制度を支持したアメリカ民主党と廃止を訴えた共和党
共和党初代リンカーン大統領就任と南北戦争
アメリカの黒人奴隷時代に、日本では世界一の都市と文化が栄えていた
江戸の治安は、東京よりも良かった
江戸の庶民は、世界一文化的な生活を送っていた
江戸の日本は、世界史に類例のないほど教育が普及していた

第八章 白人キリスト教徒による太平洋侵略
黒船艦隊はシェルガンで武装し、日本をキリスト教化しようと脅迫した
ヨーロッパのアジア侵略に慄然としたペリー提督
「マニフェスト・デスティニー」の西部開拓は、太平洋の侵略へ
大航海時代のスーパースター「クック船長」の大冒険物語
クックの最期
尊王攘夷は、日本防衛と国体護持のためだった
ジャーディン・マセソン商会の暗躍

第九章 マッカーサー親子によるフィリピン侵略
白人キリスト教徒によるフィリピン侵略
ホセ・リサールとフィリピン独立運動
米西戦争で、アメリカがスペインにとって代わる
独立軍を殲滅にかかったマッカーサー親子
日露戦争での日本の勝利に歓喜したフィリピン民衆

第十章 大日本帝国と西欧列強の帝国主義の違い
大日本帝国は、侵略ではなく、防衛のための帝国だった
白人帝国ロシア南下の脅威
三国干渉という白人列強の侵略行為
日英同盟はなぜ締結されたのか
日本による人種差別撤廃提案はなぜふみにじられたか
日英同盟廃止を望むアメリカの思惑
ワシントン軍縮会議の謀略

第十一章 大日本帝国は「植民地支配」などしていない!
日本はアジア最後の砦だった
日本の朝鮮統治は「植民地支配」ではない
日本の統治についてデタラメを書く韓国の国定教科書
人種平等の理念に基づいた「皇民化」教育
朝鮮王族に嫁いだ日本の皇族・李方子女王
八紘一宇は、「世界は一家、人類は皆兄弟」という日本の理想
大和の国・日本には、八百万の神々がいる

第十二章 日本は中国を侵略していない
国連で「侵略戦争」が定義されたのは「一九七四年十二月」
日本の満洲への進出は、侵略ではない
日露戦争の勝利で満洲の権益を獲得した日本
中国には匪賊が各地に割拠していた
満洲の在留邦人の保護
五族協和・王道楽土の満洲国
日本の大陸への進出は、「パリ不戦条約」を侵していない!
支那事変は、日本の侵略戦争ではない!

第十三章 アメリカによる先制攻撃の「共同謀議」
我々は、もっと真実を知る必要がある
中国の航空部隊のパイロットは、アメリカの偽装「退役軍人」だった
戦争を仕掛けたのは、アメリカか、日本か
日本軍航空部隊との交戦
中国で航空ビジネスを仕掛ける
ルーズベルト大統領が、チャイナ・ロビーに応えた
共同謀議をしていたのは、アメリカだった!
シェノールトの「日本爆撃計画」
武器貸与法を議会に提議したルーズベルト大統領
アメリカによる対日経済封鎖と輸送船への攻撃
日米戦争を引き起こした元凶の書

第十四章 大統領がアメリカ国民を欺いた日
大統領による裏切り行為
日本に対米戦争を起こさせるための八項目
挑発目的での巡洋艦の出没
合衆国艦隊司令長官がルーズベルトに反旗
暗号解読を活用したマッカラム
「真珠湾の奇襲」は、アメリカの罠だった!
泳がされていた帝国のスパイ
太平洋戦争は、アメリカの「侵略戦争」だ

第十五章 大英帝国を滅ぼしたのは日本だった!
大東亜戦争の虚妄と真実
大東亜戦争開戦七十周年記念での講演
大英帝国が刺し違えた日本
大東亜戦争を高く評価したイギリス人
大東亜戦争は、アジア解放戦争だった
“空の神兵”の偉業
アジアの人々は、日本軍を歓喜して迎えた
日本よ、大東亜戦争の大義を世界に伝えよ!
神州不滅を期して

翻訳・構成担当者によるあとがき
主要参考引用文献

 

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