ルーズベルトは米国民を裏切り
日本を戦争に引きずり込んだ

アメリカ共和党元党首ハミルトン・フィッシュが暴く日米戦の真相

青柳 武彦 著 2017.02.19 発行
ISBN 978-4-8024-0034-3 C0021 四六並製 272ページ 定価 1760円(本体 1600円)

はじめに────日本人の誇りと魂の救済のために

ルーズベルトは米国民を裏切り日本を戦争に引きずり込んだ

日本の最大の敵は日本人自身の自虐史観だ。戦後、米国は厳しい言論統制を行って「日本の軍国主義者が侵略戦争を行ったので、米国が正義の鉄槌を下して悪の日本を懲らしめた」という虚構を広めた。日本人が誇りを取り戻すためには、こうした虚構を打破して、そこから脱却しなければならない。
筆者は、機会ある毎に次の通りの説明をしてきた。
「ルーズベルト大統領は、ドイツのナチスを抑え込むためには米国が立ち上がらなければならないと考えていた。しかし米国の八十五%は不干渉主義だったし、ルーズベルト自身も戦争をしないことを公約して大統領になったので、世論を変える必要があった。
そこで、ルーズベルトは当時、有色人種のくせに世界に台頭して目障りだった日本をして米国に戦争を仕掛けさせることを考えた。そして米国議会にも国民にも内緒で実質的な宣戦布告(ハーバート・フーバー元大統領の表現)に等しい無理難題を押し付けて、真珠湾攻撃に立ち上がらせた。そして日本の卑怯な不意打ちを演出した。米国民は大いに憤激して、国内世論は一挙に戦争容認に傾いた。これによりルーズベルトは首尾よく戦争を開始することができた。日本は、こうした経緯の犠牲になったものである」
しかし聴衆の反応には「青柳さんの話は良くある陰謀論の類で、面白いけれども信じ難い」というものが多かった。しかし、これでは事実の直視を拒否する姿勢だ。
平成二八年一二月二七日、安倍首相はオバマ大統領と共に真珠湾のアリゾナ記念館を訪れて犠牲者を慰霊した。オバマは「日米両国民の和解と協調の力を示す歴史的行為である」と述べた。朝日新聞は日本軍の攻撃で負傷した(元)米兵士が「日本兵も命令に従っただけ」と寛容な姿勢を見せたと報じた。日本嫌いのニューヨーク・タイムズは、「安倍首相は哀悼の意を表明したが、謝罪はしなかった」と報じた。しかし両国のどのマスコミも、この事件の真の元凶は、ルーズベルト大統領であることには触れていない。そこで本書では、当時の共和党の党首で正義感にあふれたハミルトン・フィッシュ(Hamilton Fish)が真相を知るに及んで憤慨し、米国民に読ませるために著した『Tragic Deception(悲劇的欺瞞)』(一九八三年)を紹介することを通じて、歴史の真相に別の角度から迫ろうとするものである。
ただし、この著作は現在の国際政治学のレベルからいうと疑問な点が多々あり、かつ幾つかの点で筆者はフィッシュとは意見を異にする。本書は、そのような個所にコメントを付して、筆者の国際政治論をフィッシュの著作を手掛かりにして立体的に展開したものである。



目次


はじめに
   日本人の誇りと魂の救済のために
   ハミルトン・フィッシュ
   日米関係は日本の安全保障の要
   本書の意義
   不干渉主義か、積極的国際平和主義か
   フィッシュの歴史観と国際政治論・批判
   本書の説得力の裏付け
   本書の構成

序章 ルーズベルトの陰謀
   いかにして日本を戦争に引きずり込むか
   日米戦争の総括
   ルーズベルトとその一派は非公式“戦争内閣”を秘密裡に組織
   米国内の不干渉主義とルーズベルト大統領の国際平和主義
   ルーズベルトのプロパガンダ
   国際的介入主義者の思惑
   近代的・民主主義国家のルール
   セオドア・ルーズベルト
   世界大戦への重要な誘因
   英への働きかけ
   仏への働きかけ
   ルーズベルトが英・仏に与えた言質
   ドイツの反攻(第二次世界大戦へ)
   ポーランド分割問題
   中国の蠢動
   米国の対日開戦は一九三七年
   米国の不介入方針とルーズベルトの造反
   援蒋ルート
   英・仏から参戦を求めて矢の催促が
   対ヒットラー強硬路線の要請
   米国がフランスに使った二枚舌
   大戦前夜の米・仏関係

第一章 いかにして米国は戦争にまきこまれたか
   秘密裡の最後通牒
   宣戦布告の大統領権限
   ハル・ノートによる最後通牒
   英国の対日政策の変更
   「真珠湾攻撃の卑怯な不意打ち」を演出
   宣戦布告
   平和を望む日本の譲歩
   日本はあらゆる譲歩を行う用意があった
   いかに日本を挑発するか
   外務省の怠慢(宣戦布告文遅延)
   国際関係の醜さ
   日米開戦は米国が決めた
   大東亜共栄圏構想
   大東亜戦争の歴史認識
   アジアにおける英国と日本の権益
   日本への高い評価
   最後通牒に秘められた米国の読み
   ハル・ノートの苛酷さ
   真珠湾攻撃の被害

第二章 パールハーバーの悲劇
   「恥ずべき行いの日」声明
   戦争賛成派の奇妙な沈黙
   ルーズベルトの重大犯罪行為
   ロバーツ調査委員会
   ハワイ司令部を無視した共同謀議
   大統領の犯罪行為
   数多くの調査委員会設置
   キンメルとショートの名誉回復
   「真珠湾の悲劇」の責任者たち
   「ルーズベルトの陰謀」否定説に対する反論
   「ハワイへの警告」 を行わなかった者の罪
   “最後通牒”の隠蔽を画策
   ルーズベルトの大統領四選と恣意的人事
   大統領が日米戦を考えたとき
   米大統領の戦争開始に関する権限
   戦争権限法
   米大統領の軍事介入権限(オバマとシリア問題)
   “スケープ・ゴート日本”の悲劇
   米国の民主主義の伝統に反する行為
   ドイツ潜水艦攻撃は重大な戦争犯罪
   米国の民主主義の伝統に反する行為
   日本を真珠湾に向かわせたもの

第三章 ルーズベルトの扇動と欺瞞
   英国を戦争に向かわせた理由
   ルーズベルトの嘘と偽善
   大統領の“平和の保証”
   欧州戦争への米国民の参加意思
   容共主義者に囲まれていたルーズベルト
   大統領選挙を意識した策謀

第四章 米国民の意思と戦争への道
   ルーズベルトはなぜ戦争を欲したか
   不干渉主義
   五つの理由
   覇権と植民地維持のための戦争
   隔離演説
   一九三七年は米国が日本に戦争を仕掛けた年
   孤立主義と不干渉主義
   民主党と共和党の主義主張の交替か?
   不干渉主義は、世界がネットワーク化している現代では通用し難い
   好戦派はどこから来たか
   南部諸州の英国への親近感
   英米関係の変貌
   戦争に幻滅していた退役軍人たち
   不干渉主義か干渉主義か
   フーヴァー(元)大統領が指摘する米国の政治的誤り十九項

第五章 平和的仲裁か戦争か
   ダンチヒ問題とヒットラーの態度
   ポーランドが柔軟な姿勢を取っていても大戦は起こったろう
   避けられたポーランドの共産化
   世界大戦の“原因の一つ”、ダンチヒ問題
   第二次大戦を避けえたならば
   干渉政策の忌むべき証拠
   誰がヒットラーの気持ちを変えさせたのか
   “自由なポーランド”の悲しい終焉
   ユダヤ人虐殺に無関心だった大統領
   ホロコースト
   日本のユダヤ人問題対策
   樋口季一郎、東條英機、松岡洋右
   「ユダヤ人対策要綱」と「河豚計画」
   杉原千畝、根井三郎、小辻節三
   ルーズベルトの死

結語と追記
   結語
   「追記─I」 真実を隠蔽した罪びとたち
   「追記─II」 欧州の共産主義支配計画

おわりに
   真珠湾事件の真相が明るみに出る日




 

お勧めの書籍