日本人を精神的武装解除するために
アメリカがねじ曲げた日本の歴史

歪められた言論空間を打ち砕く
国際派学者による歴史認識の神髄

青柳 武彦 著 2017.07.18 発行
ISBN 978-4-8024-0038-1 C0021 四六並製 272ページ 定価 1760円(本体 1600円)

「はじめに」より抜粋

日本人を精神的武装解除するためにアメリカがねじ曲げた日本の歴史

近現代史の真相を知って日本人の誇りと魂の復活を
第二次世界大戦終了後、日本人を精神的に武装解除するために、米国は徹底的に日本の歴史をねじ曲げた。世界の歴史を見れば明らかなように、勝者は敗者の復活を阻止するために、敗者の歴史を否定することで民族の尊厳と独立を奪うのが定石だった。
例えばシナでは、『史記』、『漢書』、『元史』、『明史』、等の例に見るように、王朝が変わる毎に歴史は古代に遡って全面的に書き換えられた。従って、史書としての一貫性は完全に失われてしまっている。欧州においても同様である。唯一の例外は日本である。神武天皇即位以来の二千数百年に及ぶ歴史の中で、日本は「万世一系」の皇室を維持して独立の主権国家として世界に誇る民族文化を育んできた。

それが、米国のWGIP(戦争責任情報プログラム。全て日本が悪かったので米国が正義の鉄槌を下したというプロパガンダ)によって大幅に書き換えられて、日本人の民族性にまで悪影響を与えつつある。本書は歴史の真相を明らかにすることによって、そのような傾向を阻止しようとするものである。

歴史の真相を調べてみると、日本国民は大東亜戦争の経緯について後ろめたく思ったり、自虐史観に苛まれたりする理由は全くないことがわかる。しかし、学校の教科書にはいまだに終戦直後にGHQが押し付けたプロパガンダに基づく要綱が生きているので、そうした内容を学校で教えてもらえることはない。

自虐史観の影響
日本国民は、戦後七十余年もたった現在でも自虐史観に苛まれて委縮したままでいる。例えば、改憲問題においては日本のほとんど全部の憲法学者が改憲に反対という「金太郎あめ現象」が起きている。日本は侵略をした悪い国なのだから、二度と戦争ができないようにしたマッカーサー憲法は絶対に改正すべきではない、という結論が先ずありきなのだ。
第九条二項は国民に自殺を強要するに等しい条項だから、第十一条(国民の基本的人権の尊重)第十三条(幸福追求権)と矛盾するし、自然法の理論からいっても有効なわけがない。つまり彼らの護憲論は彼らの誤った歴史認識から来るもので、専門の法理論的考察に基づいてそうした結論を出しているわけではない。

左翼的教育体制も自虐史観の影響である。日教組と文部科学省による教科書検定方針の悪影響は、戦後七十余年を経ても是正されないで、自虐史観に取りつかれた無気力の若者をせっせと再生産している。ユネスコが南京事件や慰安婦事件を世界記憶遺産に登録する問題が起きているが、日本の文科省の方が大きな問題だ。

筆者は商社マン(伊藤忠商事)から研究職(国際大学グローコム教授)に転身した。仕事の上で経済学、経営学、財政学、法律学、情報社会論、国際政治学、更には安全保障政策論に関する近現代史の研究を幅広く行う必要があった(現在、筆者は社会科学のジェネラリストを自任している)。研究を進める中で、どうにもおかしいと思えることにしばしば遭遇した。
多くの資料にあたって研究してゆく中で、自分がこれまで受けてきた教育には多くの重大な誤りがあること、及び、そのような偏向教育がいまだに是正もされずに続いていることを知るに至った。あまりのことに愕然としたものだ。ほとんど全部の日本人は、不勉強のそしりは免れないにしても、未だにWGIPの影響下にある。日教組の左傾化教育のおかげで、日本人は近現代史の真相を知る機会を全く奪われてきているのだ。



目次


はじめに
  近現代史の真相を知って日本人の誇りと魂の復活を
  自虐史観の影響
  真相究明は米国の自浄能力に
  本書の構成

第一章 歴史認識とは何か?
第一節 歴史学と歴史認識
  歴史学とは
  歴史認識とは
第二節 歴史認識の四視点
・第一の視点:「歴史認識は史実の評価の問題であり、史実の存否だけの問題ではない」
  歴史認識は、事実認識だけの問題ではない
  歴史認識は事実の評価問題
  嘘は絶対悪
  韓国の「恨」と中国の「避諱」
・第二の視点:「価値観や倫理観は時代と共に変遷する」
  かつて白人社会において、人種差別は当たり前のことだった
  植民地化は文明化か?!
  人種差別の根拠を与えた人類学
・第三の視点:「歴史的評価は、個人や組織の“主観的意図”ではなく、“客観的結果”が問題」
  客観的結果こそが重要
  大東亜戦争の意義
・第四の視点:「歴史認識には巨視的視点が必要」
  史実の一部の要素だけで全体を判断するな
  「歴史は虹を見よ」
  侵略と虹
  大東亜戦争における「歴史の虹」
第三節 歴史認識の多様性と相対性
・百の国があれば百通りの正義と歴史観がある
  日本人は独自の歴史認識を確固として持てば良い
  二十一世紀懇談会の愚行
  残虐行為は絶対悪
第四節 高度な政治判断と歴史認識
・政治は国益優先の未来志向が大事
  優先すべきは我が国の国益
  安倍首相の米上下両院議員総会における演説
  歴史修正主義
  身勝手な歴史認識を優先させて国益を損なった韓国

第二章 侵略の歴史認識
第一節 学問的・国際的な侵略論
・国際社会による侵略の定義づけへの取り組み
  ドイツへの補償金要求の根拠が、侵略概念形成のはじまり
  パリ不戦条約
・国連の「侵略の定義」づけの試み
  国連総会の決議
  個人の責任を追及した「ローマ規程」
  米国の姿勢
第二節 通俗的な侵略の定義
・侵略についての一般的理解
  侵略の定義も概念形成もできていない
  日本の自虐的反省
・通俗的な侵略の定義とその除外例
  「侵略」の通俗的定義の除外例
・白人先進国はすべて侵略国
  通俗的定義による侵略の例
  中国の侵略体質
第三節 国際社会の正体
・日本人のコミュニケーション原理 〜謝罪の美意識
  「謝罪」は和と調和を重んじる日本的組織原理
  浜口恵俊の間人主義
  土居健郎の『「甘え」の構造』
・謝罪は国際社会ではマイナス効果だけ
  歴代の首相の謝罪
  重大な為政者の謝罪
・国際関係は各国の国益のぶつかり合い
  日本の立場からの史観を主張せよ
  オランダ・インドネシア・日本

第三章 大東亜戦争の歴史認識
第一節 日米関係
・日米関係の歴史と未来
  弾劾に値するルーズベルトの国家反逆罪
  歴史的経緯
  日露戦争と米国のシナ進出意欲
・日米対立の萌芽
  オレンジ計画
  人種差別の排日移民法
・米国の対日戦争着手
  蒋介石を支援する列強の「援蒋ルート」
  米フライング・タイガーズ航空隊による対日戦闘行為
  日米戦争は米国が先に開戦
  最後通告としてのハルノート
  ハルノートの内容
  米国は日本がハルノートを拒否するのを待ち望んだ
  日本の困窮の対応協議
・日米開戦
  在米日本大使館の怠慢(宣戦布告文遅延)
  日本はどう対応すべきだったのか
  真珠湾事件の真相調査
  日本の外交音痴と諜報センスの欠落
・米国の欧州参戦のきっかけとしての対日開戦
  対日開戦は米の欧州参戦のきっかけ造り
  欧州戦線の展開
  マーシャル・プラン
・終戦へ
  本土上陸壊滅作戦
  原爆開発のマンハッタン計画
  日米戦争終結への経過(ポツダム宣言とトリニティ原爆実験)
  ポツダム宣言
  原爆投下の決定
  トルーマンは日本がレイムダック状態だったのを知っていた
・ソ連参戦とその残虐行為
  歴史認識は事実の評価問題
  ソ連のテロ行為
  終戦に至る経緯
・日米戦争の総括
  講和条約と日米安全保障条約
  フーバー元大統領の回顧録
  日本は侵略をしたのか
  人種差別
  日米戦争は日本の自衛戦争
  日米間の歴史認識のギャップを如何に正すか
第二節 日韓関係
・韓国は日本のお蔭で独立国でいられる
  併合は韓国の起死回生のための慈雨
  伊藤博文暗殺事件
  日本は合法的に韓国を併合した
  日本は韓国を植民地化して収奪したことはない
  韓国は戦勝国ではない
・難航した日韓基本協定
  日韓の歴史認識の齟齬の原点
  難航した日韓基本協定会議
  日本は筋を通して韓国は実を取った
・慰安婦問題
  朝日新聞の捏造報道
  慰安婦は“性奴隷”だったのか
  戦争と性
  朝日新聞の記事取り消しと謝罪
  「河野談話」
  IWG報告書
・日韓合意
  最終的かつ不可逆的な合意
  米国の要望と安倍首相の決断
  朴槿惠失脚
・法治国家でなくなった韓国
  釜山に慰安婦像を設置
  「国民情緒法」
  韓国の司法制度
  「親日反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法100」(反日法)
  「親日反民族行為者財産調査委員会」の活動
  憲法裁判所
  新日鐵住金/三菱重工と戦時中の徴用工補償問題
  韓国は民主主義国家ではなくなった
  日韓議員連盟
  隣国とは仲良くしなければならないということはない
  国連国際司法裁判所に提訴を
第三節 日中関係
・日本はシナに侵略したのか
  日本は侵略していない
  侵略をしていない四つの理由
・日中戦争の経緯
  清国の成立と衰亡
  邦人保護の為の出兵
  張作霖爆殺事件
  柳条湖事件
  リットン調査団の報告と日本の国際連盟脱退
  満洲事変
  盧溝橋事件と西安事件
  盧溝橋事件をきっかけに戦火拡大
  通州事件
  二重スパイ・潘漢年
  日満親善の証
  嘘で塗り固められた「抗日戦争勝利七十周年」の式典

第四章 大東亜戦争の歴史的意義
第一節 大東亜戦争は侵略戦争か
・日本は共産主義の防潮堤だった
  日本を滅ぼしたのは米国の極東政策の大失敗だった
  朝鮮戦争
  ジョージ・ケナンが米国の容共政策を批判
・大東亜戦争は日本の自衛戦争
  フィッシュ共和党党首のルーズベルト批判
第二節 アジア諸国の独立支援
・アジア諸国(除:中国)における戦争
  大東亜共栄圏構想

おわりに
  大東亜戦争の真相を知って「永久革命の種」を打破しよう
  日米関係の重要さ
  自虐史観の弊害の猛威




 

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