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■ ハート出版の健康書 ■


母乳が足りなくても安心


ママの悩みに寄り添うおっぱいの本
お母さん・小児科医・乳児保健婦に贈る


二木 武・土屋文安・山本良郎 著 1997.06.10 発行  

ISBN 4-89295-096-3 C2077 A5並製・224頁・定価 2200円(本体 2000円)

 

まえがき

母乳が足りなくても安心…ここまで進歩したミルク。お母さん・小児科医・乳児保険婦に贈る。相談できなかった「母乳不足」のプレシャーをいかにはねのけるか丁寧にアドバイス(ハート出版)
 最近の育児用ミルクは大変進歩して、いろいろと高度の製乳技術が用いられたりなど「ハイテク製品」といってもよいかも知れません。しかし進歩が速かったのでその内容の理解は一般にはむずかしい面もあり、それだけに誤解や間違った使われ方もおこりがちのように思います。
 いうまでもなく、ミルクは人工栄養の最も有効な素材になっているわけですが、その原料は牛乳です。昔の人工栄養は牛乳で行われていました。現在のミルクは母乳をモデルにして改良に改良を重ねて、牛乳とは異質の食品と思われるくらいすっかり違った栄養料になっています。
 赤ちゃんのお乳の栄養には母乳と人工栄養があり、もちろん母乳が最もすぐれているわけですが、これに対する人工栄養の一般のイメージ評価は各時代のムードやミルクの発達レベルともからんでゆれ動き、紆余曲折がありました。
 昭和三〇年代の前半頃までは人工栄養は一般にもきわめて不評でした。発育は劣るし消化不良が多かったからです。しかしその後はミルクのレベル向上で発育などの点では大変良好となり、母乳に比べて目に見える明らかな差はほとんどなくなりました。そして乳業会社の宣伝活動もあって人工栄養率は急速に増加し、母乳栄養が減ってきました。そして当時アメリカではほとんど人工栄養で占められていたこともあって、日本の社会ムードとして逆にミルク栄養のほうが近代的でスマートである、母乳栄養は母体の体型をくずすとか、人前で胸をはだけて哺乳させるのはダサイ、野暮であるなどの風潮がおこり始めました。マスコミ論調もこの傾向を助長するように思われました。
 このような風潮で母乳はますます減少し、昭和五〇年頃には二〇%近くになりました。母乳哺育の減少は世界的傾向で、これを憂慮したWHO(世界保健機構)や日本の厚生省ではこの頃から活発な母乳推進活動を展開しました。その効果は予想以上にあり、母乳第一主義の風潮は間もなく日本社会に定着しました。しかしこれは一面では母乳信仰≠ニもなり、ゆき過ぎる傾向もあり、母乳の出ない母親は怠慢で母親失格であるとか、あるいは逆にミルクは毒物であるとかいうゆき過ぎの風潮もおこりました。当然、人工栄養、混合栄養にせざるを得ない母親は強いコンプレックスと子どもの健康について強い不安感をもたされました。そして大なり小なりノイローゼの状態にさえなる人が少なからず生じたわけです。これが現在も続いていますが、この点が著者らの最も憂慮する点となっています。
 このようにミルクは、母乳よりすぐれたミルクであるというイメージから毒物であるという感じ方まで極端から極端にゆれ動いているわけです。もちろん近年のミルクはきわめてすぐれた製品で、これを用いることに何の心配もなくなっています。母乳に較べても品質にほとんど差がなくなっているといってもよいでしょう。
 しかしミルクの品質や改善点は複雑で一般にはなかなか理解しにくく、混乱をひきおこすのも無理もないとも思われます。このような誤解、混乱は小児科医を始めとした小児保健専門職の間にも少なからずみられました。
 ともかくこれは、ミルクの改善テンポはかなり速やかで各メーカーのミルクともに二〜三年毎にモデルチェンジされてきた実情にもよるでしょう。したがって小児科医といえどもその内容を正しく理解するのはきわめて困難であって、それに伴う間違った使い方や考え方が少なくなかったように思います。
 以上のべたようにミルクの内容、レベルはなかなか理解しにくいので、これをわかりやすくのべることは一般の方にはもちろんのこと小児保健専門職にも役立つことが多いと思います。このような目的で本書を執筆したのですが、著者ら三人は共にミルクが急速に発展し始めた昭和三〇〜四〇年頃より永年にわたりその研究に従事しました。二木は小児科医としてミルクの栄養成績を、また土屋、山本は研究所でミルクの開発研究に従事し、その発展経過を直接経験してきました。それだけに思いも深く、研究過程での興味深い体験も少なくありませんでした。またミルクの進歩につれてその過程が後述するように育児の根本的考え方とも関連する点があることを知りました。
 本書ではこれらの体験を基本にのべたいと思いますが、必ずや大方の人々に関心をもって頂けることと確信します。

 

目 次

 

マンガ/森生文乃 

 

■ 第1章 授乳をめぐる悩みとこだわり

 母乳主義ノイローゼと標準哺乳量ノイローゼ

母乳にこだわるノイローゼ―――

 母乳の評価も時代で変わる

 母乳主義が「母乳信仰」に発展し社会的圧力≠ノ

 乳より大切な母の心のゆとり

 マニュアル通りにいかないのが育児

セカンド主義で育児を楽しむ―――

 母乳への固執を捨ててミルクへの切り替えも気軽に

 「こだわり」を振り切ったお母さんたちの事例

標準哺乳量にこだわるノイローゼ―――

 哺乳量は多くても少なくても大丈夫 

 標準量への固執を解決する名案は「知らぬが仏」

 哺乳量は個人差があって当然

栄養所要量より「楽しさ所要量」で―――

 喜んで飲んだ量がその子の所要量 

電話相談・病院診断より―――  

哺乳量ノイローゼの事例――電話相談より   

ミルク嫌いの事例――病院受診より 

 

■ 第2章 赤ちゃんのお乳の飲み方の発達

母乳栄養の授乳法の発達―――

 規則授乳から欲しがったら与える自律哺乳へ 

人工栄養の授乳法の発達―――  

 時代と品質が変えた授乳の仕方   

 安全優先が生んだ「計画授乳方式」  

 赤ちゃんの欲求を重視した「自律哺乳方式」  

 バラツキガある組成 

哺乳能力をめぐる諸問題―――  

 自律哺乳能力の成熟は二ヵ月頃   

 「ながら飲み」は三ヵ月頃から   

 ミルクの濃度で自律哺乳量が調節される   

 環境刺激で哺乳量は変動する   

 保育の良し悪し(レベル)が影響している   

 自律哺乳と計画授乳で哺乳量が変化する   

 情緒安定効果がある吸啜運動 

月齢で発達変化する吸啜運動―――  

 乳児は舌の動きだけで乳を飲む―吸啜のメカニズム   

 乳児期全般の発達   

 三〜四ヵ月頃までの乳児の吸啜状況にも月齢発達がある

 良い乳首とは―ゴム乳首の選び方   

 ゴム乳首のいろいろ 

 

■ 第3章 ミルクはここまで進歩した

ミルク発達の歴史―――

 哺乳動物の乳汁組成は発育速度で違う

 歴史の中の人工栄養

 殺菌法の確立

 乳の化学成分の認識確立

 微量栄養素の発見 

 乳加工技術の進歩 

 近代わが国の乳児栄養の変遷 

 第二次世界大戦後の進歩 

 七〇%型調製粉乳時代 

 特殊調製粉乳時代 

 (新)調製粉乳時代 

母乳並みのミルクの誕生―――

 蛋白質のソフトカード化が胃の負担を減らした 

 現在のミルクは牛乳よりアレルゲン性が低い 

 お母さんが普通に使う<~ルクもアレルギー予防に配慮 

 卵などに起因するアレルギーまで起こしにくくしたミルク

 一石二鳥のメカニズム 

 アレルギーの「予防用」と「治療用」ミルク 

 β―ラクトグロブリン減とアレルギー用のミルクの使い分け

脂質成分のバランスが見直されたミルク―――

 リノール酸強化で赤ちゃんは硬太りに皮膚はすべすべに

 母乳に近い脂肪酸構成が大切

 n―3系列の多価不飽和脂肪酸はアレルギー抑制的に働く

 人工栄養でも母乳栄養でも同じように頭脳明晰

 ドコサヘキサエン酸とアラキドン酸は車の両輪

 赤ちゃんのためにはコレステロールを悪者呼ばわりしないで

 アメリカ小児科学会の勧告

十分量の予備水分が確保された育児用ミルク―――

 赤ちゃんは濃いおしっこを作れない   

 積極的な「脱塩時代」の幕開け   

 脱塩努力をふいにしかねないミネラルウォーター 

栄養素が添加されるミルク―――  

 頭蓋内出血を防ぐビタミンKの強化     

ミルク受難――お母さんと赤ちゃんの苦しみ   

 日本では初めからミルクに鉄が加えられてきた   

 人工栄養児は病気にかかりやすい、なんてことはない 

 人工栄養児でも腸内菌叢はビフィズス菌が優位 

 身体発育は母乳栄養児も人工栄養児も変わりない 

 粉ミルク調乳液と母乳の成分濃度のズレ 

 

■ 第4章 ミルクの進歩で離乳が変わった

すぐれた日本の乳ばなれ―――  

 離乳とはお乳をやめることではない   

 離乳を特別視するのは日本だけ? 

ミルクの品質向上が離乳法を変えた―――

 離乳期の発育向上を促した 

 下痢を減らし離乳法を容易にした 

 急転換した離乳の考え方 

 栄養不足の補足から咀嚼の練習へ 

 食品主義から調理形態主義へ 

 計画離乳から自律離乳へ 

離乳はなぜ必要か―――

 不足する栄養を補う栄養過程としての側面 

 咀嚼の側面 

離乳の開始時期と考え方―――  

 離乳開始は五ヵ月頃が適当   

 離乳完了は一二〜一八ヵ月 

咀嚼の運動を理解する―――  

 離乳初期「ごつくん期(口唇食べ)五〜六ヵ月」  

 離乳中期「もぐもぐ期(舌食べ)七〜八ヵ月」  

 離乳後期「かみかみ期(歯ぐき食べ)九〜一一ヵ月」  

 咀嚼発達の評価のしかた 

離乳食の条件と離乳のすすめ方の原則―――

 調理形態を段階的に上げる   

 量は能力に応じてしだいに増やす   

 品目増やし栄養バランスを一定に   

 調理法で堅さを調整する   

 安全性を高めてうす味傾向に 

離乳食のやり方の基本―――  

 離乳期を区分する   

 離乳計画は乳児に応じて柔軟に   

 乳児主体の自律離乳   

 フォローアップミルクは国によりとらえ方が異なる 

 使用する場合は九ヵ月から 

ベビーフードが離乳食の主役になる日―――

 技術が品質を高め普及しだした 

 形態により四つに分類される 

 ベビーフードと調理形態主義 

 

■ 第5章 妻と夫の育児意識

新聞に見られる夫婦の意識の変化―――  

 男も妊娠してみたら!   

 子育ては母親だけの責任なの?   

 イギリスの場合は? 

日本女性のライフスタイルの変化―――  

 「男は外で、女は家で」は崩れたか?   

 欧米より少ない夫の家事・育児協力   

 母親の養育態度に影響を及ぼす父親の役割 

 

 

読者の声

 

著者紹介

■ 二木 武 (ふたき たけし) ■

 

医学博士、小児科医、綜合愛育研究所客員研究員。 1925年、金沢市生まれ。1947年、東京大学医学部卒業。同大学小児科医局、長野日赤小児科部長、東京都立小児保健院(現八王子小児病院)院長、東京都立母子保健院院長を経て、1988年より実践女子大学教授へ。翌年より世田谷区立総合福祉センター所長を兼任。1981〜89年まで全国乳児院協議会会長を担当。臨床と理論の両面にわたって造詣が深く、特に乳児の栄養、食行動についての研究では他に類を見ない貴重な存在。「ゴックン期」や「モグモグ期」といった造語も手がける。離乳期をはじめとする子どもの食生活指導に力を注ぐ。趣味は読書で歴史書や科学書を愛読。著書、論文多数。1996年、勲四等旭日小綬章授章。  

 

■ 土屋文安(つちや ふみやす)  ■

 

1928年、岐阜県生まれ。農学博士。東京大学卒業後、明治乳業(株)研究所勤務。同研究所(現中央研究所)所長を経て、現在、中京短期大学教授・生活学科長。その間、東北大学、京都大学等で非常勤講師として講義。日本国際酪農連盟国際法規・規格専門委員会委員長。「育児用調製粉乳の開発」により科学技術庁長官賞受賞(昭和62年)。主な著書に「牛乳の秘密」(ハート出版)、共著に「母乳哺育」(朝倉書店)「食と健康」(日本生命科学協会)、 「牛乳の秘密」 「母乳が足りなくても安心」 「牛乳で強い骨づくり」 などがある。  

 

■ 山本良郎(やまもと よしろう) ■

 

1935年、東京生まれ。東京大学農学部卒業後、明治乳業(株)入社。翌年、京都大学医学部小児科学研究室に派遣。明治乳業中央研究所室長、同取締役所長を経て、1993年、取締役乳品医薬品事業本部長。東北大学講師、社団法人栄養・食糧学会監事を歴任。現在、明治乳業研究顧問。1977年、「食餌脂質の脂肪酸配位と無機質の栄養学的研究」により農学博士号(東大)取得。  

 

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