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■ ハート出版のドキュメンタル童話・犬シリーズ 


帰ってきたジロー もうひとつの旅

みんなに愛された奇跡の柴犬


「アンビリバボー」「探偵!ナイトスクープ」等
TV雑誌で大反響!
2005年3月13日の日曜日、「武内ジロー」永久の眠りにつく。
マンション問題や阪神大震災をのりこえて、家族と過ごした時間…。
ついにおじいちゃんになって徘徊、体重も半分になり、
赤ちゃんにもどって天国へと帰っていったジローの愛と涙の物語。

“平成の名犬”21才11カ月永眠
主人の家を求めて70キロ、730日の孤独な旅の末、
わが家にたどり着いた「奇跡の旅」から17年、
今度は「生涯の旅」を終えるまでの感動の日々を描く。

平成17年度「佐賀の子どもが選ぶ児童文学賞」対象図書

秋田県よい本をすすめる会特選図書

小学校中学年以上向き

綾野まさる 著 日高康志 画 2005.07.23 発行  

ISBN 4-89295-521-3 C8093 A5上製・160頁・定価 1320円(本体 1200円)

 

「はじめに」より

帰ってきたジロー もうひとつの旅

 雨あがりの空に、白い雲がぽっかりとうかんで、うす日がさしはじめました。あちこちの家のいけがきに、あじさいの花が、水いろのくすだまをならべたようにさいています。
(あさっては、あの子の月命日……。あの子が天国に旅だってから、もう、三か月になるんやわ)
 ベランダで洗たくものをほしながら、おばさんは、ものおもいにふける顔になりました。
「そうや、わすれるとこやったわ」
 ひとりごとをつぶやくと、おばさんは、いそぎ足で六畳の和室にやってきました。
「ほーら、ジローくんのね、だーいすきだったたまごやき、きょうはね、とくべつにでっかいの、つくったからね」
 仏だんのよこにしつらえたテーブルに、おばさんは、たまごやきをそなえました。
(ジローくん……。とおいとこへ、いってしもうたんやねぇ)
 両手をあわせてお祈りしてから、おばさんは、息子の写真を、ぼんやりとながめました。
 がくぶちの中で、元気いっぱいだったころの息子が、前足をすっくとのばして、それはかしこそうな顔をしてすわっています。いまにも、ワン、ワンワン! と、こたえそうです。

 そのジローが、しずかに永遠の眠りについたのは、二〇〇五年(平成十七年)、三月なかばのこと。星がふるように、うつくしい夜でした。
 ジローは、二十一歳十一か月。あと一か月で二十二歳になるところでした。
 ジローが亡くなって、その亡きがらは、動物霊園で火葬され、小さな骨になりました。火葬というのは、死体を焼いてほうむることです。その火葬のとき、動物霊園の係のおじさんが、ジローの遺骨に手をあわせたあと、こういいました。
「いやぁ、ジローくんは、よう、歩いた犬ですなぁ。こんなに骨がじょうぶで、しっかりしているのを見たのは、はじめてのことですよ」
 くびをかしげながら、おじさんは、ふしぎでならないという顔になりました。
 ジローの骨が、とてもじょうぶでしっかりしていたのには、じつは、わけがあったのです。
(やっぱし……、あの旅で、あっちこっち、さまよい歩いたんやね。よう、がんばったね、ほんま、よう帰ってきてくれたね)
 うっすらと涙がにじんだおばさんの瞳に、とおい、とおい日のジローのすがたが、ゆっくりとうかびました。

 

目 次


      はじめに

      ジロー、生きてるんやで

      もう、帰れないかもしれない

      たどりついた、ぼくの家

      ぼく、どうして住めないの?

      とどけられた手紙

      丘の上の学校

      まっ白なほうたい

      八十歳のおじいちゃん!?

      知らん顔のジロー

      真夜中のタッタカタ

      赤ちゃんになったジロー

      悲しい子守唄


 

著者紹介

 

画家紹介

画家紹介・日高康志(ひだか やすし)

 

本名 日高靖志。1951年宮崎県生まれ。洋画家の故・宮永岳彦画伯(二紀会理事長)に入門、内弟子となり、15年間修業。1976年二紀展絵画部門に初入選、以後毎年入選するほか、二紀選抜展、東京二紀賞受賞、古典多数。現在、二紀会同人。日本美術家連盟会員。おもな挿絵に 「帰ってきたジロー」 「郵便犬ポチの一生」 「ほんとうのハチ公物語」 「ゴリラのボスになった力三さん」 「おてんば盲導犬モア」 「えほん めをふさがれたいぬ じゅんぺい」 「えほん 盲導犬ベルナ1」 (ハート出版)など、多数。

 

読者の声

 

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2005.09.10

柴犬ジローの生涯、児童向けの本に(朝日新聞兵庫版2005.09.10)

 

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