チャイニーズ・ジャパン

秒読みに入った中国の日本侵略

佐々木 類 著 2021.12.16 発行
ISBN 978-4-8024-0130-2 C0031 四六並製 288ページ 定価 1760円(本体 1600円)

驚愕の“現地ルポ"満載!
◎地方に中国の進出拠点。狙われる過疎地 《四国の廃校騒動》
◎買い漁られる美しい日本の観光地 《消える京都花街の風情》
◎文士たちに愛された老舗温泉旅館の変貌 《伊豆 修善寺》
◎爆買いされる日本の国土 《無策・骨抜きの土地利用規制法》
◎国を売る政治家たち 《保守を自称する自民党「媚中」議員》
◎企業内に民兵組織や共産党組織 《大手日系メーカー・在日中国系企業》
◎恣意的に拘束され人質にされる日本人 《経団連・日系企業》
◎国を売り渡す学会の背徳 《孔子学院・千人計画・学術会議》
◎浸透工作を厳重警戒する欧米諸国 《「中国が役に立つバカ」を育成》
◎忍び寄る人口侵略の影 《チャイナ団地・増える外国人犯罪》
◎台湾有事はすでに始まっている 《武力介入のシナリオ》

「はじめに」より抜粋

チャイニーズ・ジャパン

中国による「静かなる侵略」は最終章を迎えたのではないか。残念ながらそう思わざるを得ないのが、日本の現状である。緻密に計画された浸透工作により、政界、財界、地方自治体、大小のメディア、古都の京町家、老舗温泉旅館、山林、繁華街の一角といったあらゆる面で、日本が赤く染まって後戻りできないところまで来てしまっている。
折しも世界は、自由と民主主義、基本的人権の尊重という普遍的価値観を共有する米国など西方世界と、中国による覇権争いの真っただ中である。この中にあって、日本だけがイソップ物語に出てくる卑怯なコウモリのような、どっちつかずの外交をして「美味しいところ取りしよう」などと考えることは、もはや許されない。
むろん、地理的に中国と近く、軍事的に直接の脅威にさらされている日本が、対中政策をめぐり、欧米とすべての面において足並みをそろえることは不可能であろう。しかし、相手はウイグル人などへのジェノサイド(民族大量虐殺)を厭わない、冷酷無比の中国共産党独裁国家である。
決してブレてはいけない。先人が築いてきた日本の文化と歴史、連綿と続く皇室の伝統を子々孫々に残す断固たる決意こそが求められるのである。そうであれば、日本がどう中国と向き合っていくのか、自ずと答えは見つかるはずである。外交や安全保障政策において、つまらぬ妥協や政治家の保身による譲歩は国家百年の計を誤る。日本はまさに、ウイグルや軍事弾圧されたチベット、南モンゴルと同様に、国家として、存立の危機に立たされていることに気づくべきである。
世界地図から消えるのは一瞬である。中国は砂を撒くように人民を海外に派遣し、乗っ取りを図る。同時に、あらゆる手段を使った洗脳工作も、お手の物だ。目に見えるものだけが現実ではない。特異の独立した文明を育んできた(『文明の衝突』サミュエル・ハンチントン著)民族国家として、その事実に気づかねばならないのである。
そんな中国による「静かなる侵略」への警戒を怠れば、あっというまに中国に飲み込まれて、日本という国が地図から消えてしまう。そうなってからでは遅い、という警鐘を鳴らす思いで、本著のタイトルを『チャイニーズ・ジャパン』とした。
いま、世界で何が起きているのか。日本国内で何が起きているのか。この書は「静かなる日本侵略」シリーズ(ハート出版)の第四弾である。中国による「静かなる侵略」は最終章だが、まだ間に合う。日本には経済力もあれば知恵も勇気もあるからだ。人口が減っても慌てることはない。少ないなら、少ないなりの最適解は必ずある。読者とともに、この国の行く末を考えるきっかけになれば幸甚である。



目次


はじめに

第一章 日本の過疎地が狙われている!
東かがわ市と北京海淀外国語実験学校
中国屈指のエリート養成学校
まるで人民解放軍の予備校
きっかけは「香港」
前のめりになる市議会
海淀学校「誘致絶対反対」の立て看板
過疎集落で反対署名が四〇〇〇筆に迫る
サイレント・インベージョン(目に見えぬ侵略)
上村市長インタビュー「交流再開もあり得る」
中国による土地買収の動き
ウイグル人弾圧や天安門事件はスルー?
中国当局は長期戦略で過疎地を狙う
千丈の堤も蟻の一穴より崩れる

第二章 中国に買われる古都・京都の街並み
外国資本に買い漁られる京都
町の一角を丸ごと「買い占め」
日本の土地に群がる中国人
稼ぐなら日本の民泊
観光亡国論
コロナ後に再び中国人観光客が殺到する

第三章 中国に買われる伊豆の老舗旅館
中国人に人気の「買収」スポット
中国資本に買収された「ホテル滝亭」
現金で四億円をポン!

第四章 中国に買われる日本の国土
日本に「中国の治外法権」地帯が生まれる
「国防動員法」でスパイ活動を強制?
土地利用規制法は「小さな一歩」
消えた政令五十一号

第五章 政界の背徳
中国が絶賛する親中派「河野ファミリー」
あぶり出された媚中派の大御所「二階氏」
歴史に残る朝貢外交の「小沢氏」

第六章 財界の背徳
企業内で「人民武装部」が活動?
理研ビタミンが上場廃止の危機に
積水化学工業で情報漏洩事件
日本国内の中国企業にも共産党組織
「民営企業」に介入強める習政権
目先の利益に走る財界首脳
それでも中国市場に目がくらむ日本企業
現地駐在員と家族が人質になる日
恣意的な拘束を続ける中国当局
身ぐるみはがされる日本企業
中国から撤退する企業・しない企業
経団連という「朝貢使節団」
脱・中国依存への好機到来

第七章 学会の背徳
留学生審査を厳格化する動き
日本の孔子学院、大半が継続の意向
中国の国家プロジェクト「千人計画」
学術会議の任命拒否問題
安保法「反対」論者も任命されている矛盾
安っぽい「学問の自由」
十年間「政府への勧告ゼロ」
学術会議の「裏の顔」
中国の「金盾システム」を警戒せよ
米国の対中戦略に沈黙する学術会議

第八章 中国の浸透工作・各国の分析と戦略
中国の浸透工作を警戒する米国
中国メディアは共産党のプロパガンダ機関
世界中が懸念を表明した孔子学院
孔子学院を「閉鎖」した工学院大学の英断
フランス陸軍が暴いた中国共産党の浸透工作

第九章 外国人による特殊犯罪の増加
忍び寄る「静かなる侵略」
首都圏のチャイナ団地だけじゃない
ベトナム人が健康保険証で詐欺事件
お蔵入りした家畜の大量盗難事件

第十章 目前に迫った「台湾有事」シミュレーション
シンクロする台湾併合とロシアのクリミア併合

おわりに

 

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