元韓国空軍大佐が語る
日本は奇跡の国 反日は恥

崔 三然 著 2021.09.25 発行
ISBN 978-4-8024-0077-0 C0021 四六並製 216ページ 定価 1540円(本体 1400円)

「おわりに」より抜粋

日本は奇跡の国 反日は恥

日本と韓国は共に近代化に成功し、自由民主主義の価値を共有しているにもかかわらず、何故未来への協調に失敗しているのか。何故日本と韓国は過去の歴史問題の清算に至らず、若い世代まで歴史問題の対立に巻き込んでいるのか。
私が日本に来て驚いていることはいくつもあるが、その第一は、日本人が過去の植民地支配に対する負い目意識を世界中のどの国より一番強く持っていることである。
日本人の恥の文化、潔癖性、潔さ、実直性、遵法精神などは、日本人が誇るべき特性であり、文化であり、伝統であり、歴史である。私はこの精神文化に対し深い尊敬の念を持つものである。
しかしながら、同時に私は日本人の精神文化の中には、至る所に行きすぎがあることに注目している。例えば、日本でのコンプライアンスである。行き過ぎてかえって融通性、伸縮性を失い、閉塞感を感ずるとか物事に臨機応変に対処することができないことがある。
日本人の意識構造とは裏腹に、植民地支配の本家である西洋人には負い目の意識などは微塵もない。むしろキリスト教文明の恵沢に浴させてやったという気持ちさえ持っている。ましてや謝罪を要求しようものなら、怪訝な顔をして反発するだろう。
植民地統治を受けた多くの国々では、かつての宗主国に対して友好的であるばかりか、尊敬を払う国も多く存在するという事実がある。朝鮮半島と中国だけが、過去の歴史を今に至るまで引きずるのは果たして妥当なことであるのか、深く反省すべきではなかろうか。
今でも韓国と台湾では、日本統治時代を肌で覚えている老人たちが集まれば、「日本時代は秩序があり、弱肉強食ではなかったね。あの戦争さえなかったら良かった」という嘆きの声を聞くことがある。権力と金には関係のない日本統治を受けた人々の声である。天の声ではなかろうか。心して聞くべきである。
朝鮮半島は今も危機的状況にある。北朝鮮の赤化統一の脅威もさることながら、憂慮すべきは韓国の内部崩壊である。在韓アメリカ軍の存在と、日本統治時代を生き抜き朝鮮動乱を戦い抜いた我々愛国老兵を中心とする保守愛国志士達の抵抗によって、辛うじて持ちこたえているという状況である。日本とアメリカの、より積極的な朝鮮半島への関心と支援が求められる所以である。韓国併合百年の歴史的エネルギーが昇華し、日韓の和解、そして揺るぎない日米韓三国同盟実現への歴史的指導力として発現できないものであろうか。そのことを切に期待して止まないものである。




目次

[特別寄稿]崔三然氏著書刊行に寄せて 伊藤 陽一(慶應義塾大学・国際教養大学名誉教授)
はじめに
一章 日本は「おとぎの国」である
 日韓問題を懸念する
 私が講演活動を続けてきた理由
 日本の「路線バス」に驚いた
 日本人の気質を象徴する鉄道網
 河川敷を眺めてみると
 日本の潜在能力
 日本もアメリカも「マニュアル社会」?
 日本を「一等国」たらしめているもの
 「匠の国」「こだわりの国」日本
 現在の日本と未来
二章 「少飛魂」と韓国空軍
 少年飛行兵を志す
 東京陸軍少年飛行兵学校へ
 大分教育隊での思い出
 飛行技術の話
 終戦と除隊、そして帰国
 母方の叔父の思い出
 父とその後
 韓国空軍に入隊する
 朝鮮戦争
 「少飛」あっての韓国空軍
 韓国軍の節目、メイド・イン・コリアへ
三章 韓国の危機は日本の危機
 朝鮮半島は日本の安全保障の基軸であった
 朝鮮半島の宿痾の源泉は何か
 今も変わらない日本安全保障への朝鮮半島の重要性
 朝鮮半島に関わる日本の安全保障への提言
 スパイ防止法及び国家諜報機関の設置が急務
 北東アジア戦略的環境の変化
 日本の安全保障
四章 日韓に横たわる問題の本質
 日本を正当に評価できない韓国
 徴用工・慰安婦の真実
 在日韓国・朝鮮人に物申す
 光州事件
 『元韓国陸軍大佐の反日への最後通告』
 韓国における兵役逃れとモラルの低下
 日本が朝鮮にもたらしたもの
 戦勝国史観から脱却せよ
 権威と権力の分離
 世界に冠たる日本の特色
 世界は日本をどう見ているか
 日本の地政学的環境と生存戦略
 日韓は今後いかにあるべきか
五章 赤化韓国に未来はない
 現在の韓国は忘恩の反逆者
 赤化韓国の目指す道
 北朝鮮の目的はすべて「赤化統一」のため
 「アメリカ出ていけ」と韓国が言えない事情
 アメリカを追い出すための反日
 赤化大統領を追い詰めろ
 アメリカにも問題は多い
 文在寅政権は長くないが……
六章 「空の女神」藤田多美子鎮魂に寄せて
 人柱になった乙女
 「大空の女神」との再会
 「誉の大和撫子」
おわりに

[特別寄稿]崔先生のようになりたい 村田 春樹(今さら聞けない皇室研究会・顧問)
[解説]崔三然氏が訴えたかったこと 佐伯 浩明(元産経新聞政治部編集委員)
刊行に寄せて 崔 鶴山(慶應義塾大学非常勤講師)

 

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