新装改訂版 帰ってきたジロー

綾野 まさる 作 大木 ゆり  画 2025.12.20 発行
ISBN 978-4-8024-0253-8 C8093 A5上製 160ページ 定価 1650円(本体 1500円)

内容紹介

帰ってきたジロー

ジローは生きる勇気を、愛する人たちとともに暮らせることの大切さを、わたしたちに教えてくれた

(西宮の家は、どっちのほうだろうか?)
ジローは、ぼんやりと考えました。なんだか、気が遠くなっていくようでした。
〈なにをしてるんだ、ジロー、歩くんだ!〉
そんな声がしたような気がしました。
ジローは、足をふんばって、立ちあがりました。よろよろと歩きました。石につまずいて、たおれました。
また起きあがり、足をひきずりながら進みました。

ジローは、この七十キロを、愛する人をもとめて、ひたすら帰るために、二年間もの年月をかけたのです。
あちこち、さまよい歩きました。おそらく、ジローが走り、そして歩きつづけた距離は、一千キロをはるかにこえるだろうと考えられます。


※本書は平成元年十二月に刊行した『帰ってきたジロー』と、平成十七年七月に刊行した『帰ってきたジローもうひとつの旅』を合本・改訂のうえ、新装したものです。


目次

夜の訪問者

子犬がやってきた

ジロー、ごめんね

さよなら、ジロー

ちぎれた首輪

ひとりぼっちの森

親切なおじさん

新しい発見

丘の家の人びと

ボクの家はどこですか

きせきの再会

もうどこへもやらない!

届けられた手紙

八十さいのおじいちゃん!?

知らん顔のジロー

真夜中のタッタカタ

悲しい子守唄

あとがき