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■ ハート出版の文芸書 ■


ペットロスから立ち直るとき

愛犬レイアがくれた無償の愛


日本の犬は1000万頭、飼い主10人に1人はペットロス
悲しいことを悲しむことは、少しも恥ずかしいことではありません。
この本が少しでもお役に立てたら……


カタリナ房子 著  2002.05.31 発行  

ISBN 4-89295-493-4 C0095 四六上製・191頁・定価 1650円(本体 1500円)

 

はじめに

ペットロスから立ち直るとき──愛犬レイアがくれた無償の愛 カタリナ房子著(ハート出版)日本の犬は1000万頭、飼い主10人に1人はペットロス 悲しいことを悲しむことは、少しも恥ずかしいことではありません。この本が少しでもお役に立てたら……

 

 私は死別からの立ち直りに、かなりの時間を必要としました。
 ひとつの死別から始まって、さまざまな死別体験に出会ってしまった私は、レイアという犬が生前、私にいろいろなことを教えていたことに気づくまで、本当に苦しい毎日をおくりました。レイアが去って三年もすぎているいまでも、ときおりレイアのことを思い出すと、何かしらの寂しさや孤独感が私の胸を占領します。
 それでも、私は変われたのです。
 寂しいときには寂しいことを、悲しいときには悲しいんだということを口に出すなり、表現するなりして、まわりの人にも本当の自分を知ってもらうことが必要です。

 ペットロスは、少しも恥ずかしいことではありません。
 「伴侶動物との別れを癒す会」を主宰している当の本人の私が、ペットロスなのですから……。この本が、何かひとつでも役に立ったらと、思っています。

 あなたのために、私は何ができるでしょうか。
 今は亡き友の面影をしのび、そっと耐えている人々や、天国に旅立ったすべての動物に、この本を贈ります。

 ほら! レイア ボールがいくよ……

 

目 次

 

 

はじめに

 

第一部 愛しき日々

 

   わたしの娘同様だった、レイアの物語です。レイアの視線で描きました。

 

    ゴールデンレトリバー。
    平成七年十二月十一日。二匹姉妹の、お姉さんとして
    生まれました。


第二部 突然の別れ

 

   レイアが亡くなったあと、

   私はさまざまな試練に立ちすくむことになります。

   レイアの死の疑問、そして葛藤……。
   ペットロスという悲しみと苦しみのただ中にあった、

   私自身の歩みをまとめました。
   天から見放されたような気持ちを、誰にいうこともできず、

   ボロボロになっていく私をさらけ出しました。


第三部 立ち直るために

 

   私は、いよいよ自分自身の内面と向き合うことになります。

   ペットロスは体験した者にしかわからない苦しみがあります。
   その苦しみを私はどのように理解し、どのように納得していったかを、

   たどってみたいと思います。
   死別……これほど、ひどく残酷なことはありません。

 

 

   死別の苦しみは、人も動物も同じ

 

  ペットの死、一つひとつに悲しみがある

 

  憎しみと争いでは癒せない

 

  言葉で伝えてほしい、やさしい心

 

  癒しと心のゆとり

 

  人も動物もスピリチュアルな存在

 

  日本人にあったスピリチュアルな思考がある

 

 

あとがき

 


(解題)人間と動物の魂の交歓 吉田千史


 

 

あとがき

 『ペットロス』とは、最近よく耳にする言葉であるが、『ペットロス』そのものは、今始まったことではない。昔であろうと今であろうと、自分の一番身近にいるものがこの世から去ることの、いうにいえない体の奥からにじみ出てくる異様な寂しさは同じだからである。ただ、昔のほうがそういう問題は少なかった。それは社会全体の体質が変わったからだと思う。
 昔は家族も多く、隣近所とのつきあいもたくさんあって、その中に動物がいた。動物病院も探さなくてはならないほど少なかった。動物が死んでしまえば、庭先に埋めていた。
 今、犬を飼っている人から「うちの番犬」という言葉は聞いたことがない。少し前は、やはりこの「番犬」があたり前だった。猫はそこらじゅうをかけまわり、猫どうしが顔を合わせると大ゲンカを始めていた。私が幼いころ飼っていた猫もよくケンカして耳が切れていた。また、猫は死んでも庭に埋められることもなく、必ず死の直前に自分で姿を消した。
 現在にいたるまで、動物の性格や習性は変わることがない一方で、人間の心が変わってきている。今は人と人とのつきあいも少なくなり、動物病院もあふれるほど開業している。家族の中に動物が接近したともいえる、と同時に、人々は「癒し」を動物に求めるようになった。
 「癒し」はそれが必要だから求めるのであって、その対象として動物が存在するのはよいことだと思う。しかし、皮肉にも癒してくれる動物と生活する中で、癒されない局面が発生してしまっているのが現状である。
 獣医師を育てる大学で、いったい学生に何を教えているのだろうか。レイアを解剖したというN大学。飼い主の許可もなく解剖してしまった行為は、人に教育する立場にある大学側の大きな落ち度である。この執刀した獣医が『ペットロス』という問題を深く理解していたのなら、安易に剖検を引き受けなかったはずである。そのあとの犬と飼い主の気持ちを完全に無視した行為の責任は、重大である。
 動物医学以外でもペットにかかわる仕事をする人々も、初心にかえってペットとの別れを勉強する必要がある。預かったペットを見るのではなく、その奥に存在する飼い主との見えない絆を考えなくてはならない。
 「人情」。今の日本人が忘れかけていることを少しでも早く、一人ひとりの心に呼び戻さなくてはならない。
 ペットロス教育とは、心を失いかけている人に必要な科目だといえる。これは単に人間とペットとの関係を見つめるだけでなく、広く人間同士のやさしい心遣いを見直すことにつながってくるであろうと、私は思っている。
 本書は、私個人の経験を通して知ったペットロスをみなさまに知っていただきたい気持ちで書いたものです。他人のちょっとした態度や言葉で、こんなにも気持ちが追われていく姿を見ていただきたかったのです。
 今ペットのことを深く考え、悲しんでいる人々。こんな私だけれど、そばにいます。勇気を出して、そして一緒に涙を流しましょう。あなたのためにこの世を去ったペットのために、あなたの涙の半分を、私に差し出してください。
 この本の執筆にあたり、ずっと心の支えになってくださり、今でもレイアのことを思い続け、ときには励ましてくださるマインドセラピーセンター所長で、日本ペットロス協会主宰の吉田千史先生、ありがとうございました。
 最後にこの本が出版されるにあたり、ハート出版の日高社長、編集長の藤川さま、そして関係者のみなさま、心からお礼申し上げます。
 レイアも、これでゆっくり天国で遊べるでしょう。

   レイア たくさんのことを
   教えてくれて ありがとう
   たのしかった……
   お空に向かって
   ボールを投げるよ 
   それ!

 

 

解題

■人間と動物の魂の交歓               吉田千史


 ペットの死は人に深い罪の意識と悔恨の情をもたらします。しかも、飼い主やその家族になんら落ち度がなかったとしてもです。
 そのペットの飼い主にいわれのない罪業感や悲痛の念を起こさせる原因にペットの専門家がかかわっているとすれば、その責任は誠に重いといわねばなりません。
 著者のカタリナ房子さんは、愛犬レイアを渡欧のためペットショップにあずけました。しかし、帰国して引き取りに行くと、そこには大学病院での解剖所見とともに骨壺に入ったレイアのお骨が待っていたという信じがたい体験をされました。
 しかも、これらのことがなんらご本人の了解なしに行なわれていたのです。
 レイアが病死したためにペットショップの経営者が自らの一存で火葬場に出したのだといいます。所有者の了承もなく荼毘に付すこと自体異常なことですが、ペット霊園でもペットの所有者の確認をせずに火葬してしまいました。
 ペット霊園とは依頼さえあれば誰のペットであっても遺体をお骨にしてしまう所のようです。
 また、それに先立ち大学病院でも所有者の承諾なしに病理解剖が行なわれました。剖検したドクターもドクターです。
 このようにレイアは、その所有者が不在のまま遺体をたらい回しにされ骨にされました。
 この国のペット業界では、飼い主の心理と人権を無視するようなことが平然とまかり通っています。
 この国には動物への福祉が行き届いていない以上に、飼い主である人間への配慮が欠如している現状があります。
 カタリナさんと私がはじめてお会いしたのはレイアを失って三ヶ月ほど経た一九九八年の初秋でした。
 面接室に訪れる彼女は、当初はいつも黒い服に身を包み深く沈んだ面持ちでした。言葉少なくうつむき加減なご様子からは、受けた心の傷の大きさが痛い程こちらにも伝わってきました。
 それからのことは、本書に述べられている通りですが、カタリナさんの場合、レイアを失う以前に親しい人を相次いで亡くされるなど短期間に死別が重なったことに加え、レイアの別れが突然であったことや、その死に疑問が残った点、さらには周囲から冷たい言葉を投げかけられるなど悲嘆が重くなる要因としてグリーフ(悲嘆)セラピーの教科書によく出てくるような条件を幾つもかかえておられました。
 そして、彼女にとって悲嘆が長びいた最大の理由は、レイアの遺体を見る機会を持てなかったということがあげられます。
 それはなぜかといいますと、遺された飼い主はペットの遺体を直接見たり、触れたりすることによって死の現実と向き合い、その死を受け入れようと努力していくからです。
 そのような機会を与えられなかったカタリナさんは、当然のように煩悶し、疑心暗鬼を生み、苦しみました。その結果、彼女の悲嘆は重く複雑なものになっていきました。
 しかし、カタリナさんはその後、深い悲しみの念を自ら克服しようとするかのようにご自分以外のペットロス体験者をサポートする会を始められました。
 これは自助グループ『伴侶動物との別れを癒す会』として多くの人々の賛同と協力を得て今も活動を続けておられます。
 このような前例のない活動に対してカタリナさんは献身的に取り組まれましたが、始めたばかりの頃は、自らの喪失体験からも充分に立ち直っていないなかで他人の話を聞いたり勇気づけたりすることは、時に大変おつらいことでもあったであろうと推測されます。
 また、こういった活動を始めると決まって起こる心ない者からの中傷やいやがらせに対してもカタリナさんは、私以上によく耐えておられたように思います。
 本書は遅れたペット業界の内幕を糾弾する目的で書かれたというよりも、著者の真の意図はペット動物にかかわる人々はペットに対する充分な配慮と、その飼い主に対しても慎重で手厚い対応をしてほしいという心からのメッセージにあるのではないかと思います。
 このことはペット産業にかかわる人々は、飼い主へのインフォームド・コンセント(充分な説明と同意)をしっかり行なわなければならないと言い換えてもよいかと思います。
 そのような点から私もあえて次のように申し上げたい。ペットにかかわる者は、ペットオーナーの同意なしにペットの毛一本といえども処分してはいけません、と。
 本書はカタリナさんの実体験に基づいた人間と動物の魂の交歓の書です。
 三部構成からなる不思議な体裁を持つこの本は、スピリチュアリストであり動物おもいのカタリナさんにしか描きえないものでしょう。
 カタリナさんは、人間と動物たちがこの地上で調和的に共存し、人々が争いのない互いに癒される社会を実現することが願いだとおっしゃいます。
 今日、地球社会に起こっている数々の混迷に満ちた現実に目を転じたとき、私たちは互いに癒し合える安らかな社会に向かって進んでいるといえるでしょうか。
 本書の奥にある含蓄に富んだ高い精神性に接するとき、私たちは改めて人間と動物の未来について深く考えさせられます。
 よって、本書を動物愛好家のみならず、一般の方々もお読みくださることを願い、広く推薦したいと思います。

 

著者紹介

■ カタリナ房子(かたりなふさこ) ■

 

料理研究家、エッセイストとして活躍中。神奈川県在住。曽祖父は幕末の長崎で活躍した アイルランド人の船長。

 

読者の声

 

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