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■ ハート出版のドキュメンタル童話・犬シリーズ 


ほんとうの南極犬物語

タロジロみんな生きるんだ!


南極観測を始めて50周年
極寒の地に挑んだ日本の第一次南極観測隊には、
ソリ引きとして、カラフト犬22頭も参加していた。
人と犬たちの心ゆさぶる、ほんとうにあったお話です。

昭和基地におきざりにされた犬たちの祈りが届いた?
厚い氷にはばまれ、どうしても上陸できなくなった「宗谷」の隊員たちは
みんな、胸をいためながら、犬たちに別れをつげました。
それから1年――、奇跡は起きたのです。タロとジロが生きぬいていた!
このニュースは世界中をかけめぐり、感動のなみだがながされました。

小学校中学年以上向き

綾野まさる 著 日高康志 画 2006.07.07 発行  

ISBN 4-89295-540-X C8093 A5上製・160頁・定価 1320円(本体 1200円)

 

「はじめに」より

ほんとうの南極犬物語

 日本の首都・東京の名所といえば、皇居、浅草の観音さま、上野公園、隅田川など、いろいろあげられます。最近では、お台場、新宿副都心の高層ビルや六本木ヒルズが、たくさんの人たちでにぎわっています。
 では、東京のシンボルといえば、なにを思いうかべますか。やはり、空に高くのびる、東京タワーではないでしょうか。一九五八年(昭和三十三年)に完成したこのタワーは、高さが三三三メートルあります。
 この東京タワーの大鉄脚、わかりやすくいうと、地上とつながる巨大な鉄のはしらの一角に、十五頭の犬のブロンズ像がならんでいます。白い小石がしかれたその一角に、すっくと立って、とおくを見つめている犬。すわって、だれかがくるのを待っているような犬。そして、まえ足に顔をつけて、ねそべっている犬など、さまざまなポーズをしています。
 東京タワーには、休日ともなれば、展望台にのぼる人たちの長いれつができます。でも、すぐそこにある、この十五頭の犬のブロンズ像に目をとめる人は、それほどいません。
 五月五日、子どもの日。わたしは、この物語を書くために、あらためて、十五頭の犬たちにあってみようと、東京タワーにやってきました。
 すると、小学三年生くらいの男の子が三人、この犬たちのブロンズ像をながめていました。
「この犬たち、なんなのだろう?」
「南極観測ではたらいた犬だって書いてあるけど、そんなにすごいことをしたんかな」
「うーん、よくわかんないよ。でも、なんか、えらいことをしたんだよな」
 三人の男の子たちは、そんなことをいいあっていました。わたしは思わず、「この犬たちはね……」と、少年たちにいいたくなりましたが、よけいなおせっかいだといわれそうで、やめにしました。
 このブロンズ像のうしろには、黒い大理石に、「南極観測ではたらいたカラフト犬の記念像」と、文字がほられています。じつは、東京タワーがつくられたつぎの年(一九五九年)に、日本動物愛護協会が建てた記念像なのです。

 それからおよそ五十年がたちましたが、この十五頭のカラフト犬たちは、けっしてわすれてはいけない、すばらしい犬たちだったのです。
 二十世紀(一九〇〇年代)のはじめ、氷山のうかぶ、地球のいちばん南にある南極は、探検のぶたいでした。人類が足をふみいれたことのないこの南極に、アムンゼン、スコット、そして日本の白瀬矗といった人たちが、きびしい自然とたたかいながら、探検をこころみました。その後、世界の国々が力をあわせて、南極のひみつを調べようといううごきがおこり、ちょうど五十年まえに、日本は、はじめて南極観測のしごとに参加しました。
 このとき、おもい荷もつなどをはこぶために、ソリを引いて南極の氷原を走り、かつやくしたのが、このカラフト犬たちでした。
 犬たちは、観測隊の人たちにかわいがられ、雪あらしがふきあれる氷の大地で、足のうらから血をしたたらせながら、ソリを引いて、いっしょうけんめいにはたらきました。
 きびしい自然のなかで、人間と犬は、ひとつになって、心をかよわせたのです。そして、犬たちのたすけがなければ、この南極観測のしごとは、なしえなかったといっていいでしょう。
 ところが、この十五頭の犬たちは、人間のつごうで、南極におきざりにされました。それも、クサリにつながれたまま……。いろいろ、わけがあったにしろ、生きたまま、犬たちを見すててしまったのです。
 そのとき、日本じゅうの人がおどろき、かなしみ、そして、いきどおりの気もちで胸をえぐられました。マイナス四十度ちかくにもなる寒さ、食べものもない南極では、十五頭の犬たちは、すぐにも死んでしまうと思ったからです。
 それから一年――、なんと、奇跡はおきたのです。タロとジロ、この兄と弟の二頭の犬が、しっかりと生きぬいて、人間たちがむかえにきてくれるのを待っていたのです。
 このニュースがラジオから流れたとき、わたしは、中学二年生でした。
《タロとジロが、生きていた!》
 見たこともない犬なのに、ひとりでに胸があつくなって、なぜだかなみだがあふれたことを、いまもあざやかに思いだします。
 わたしは、これまで、犬をモチーフにした物語をいくつか書きました。
 たくさんの人たちに読んでいただいた『帰ってきたジロー』では、飼い主のもとをはなれた犬が、七十五キロを二年もかけて、愛してくれた主人のところにかえる旅を、犬の気もちになって書きました。
 『ほんとうのハチ公物語』では、亡くなった主人を、ひたすら待ちつづける、日本一有名なのら犬“忠犬ハチ公”の一生を、わたしなりに心をこめて書きました。
 太古の昔から、犬は人間の友だちとしてかわいがられ、この地球上で、ともに生きる仲間として、そのきずなをふかめてきました。その犬たちは、わたしたち人間に、いろいろなことを教え、考えさせてくれる、いちばん身ぢかな動物です。しかも、犬たちは、わたしたちに、けっしてなにかを求めたりはしません。それは、けなげなまでに、人間を信じる気もちにあふれているといえるでしょう。
 ことし(二〇〇六年)は、南極観測がはじまって五十周年になります。タロとジロのこの物語が、永遠にかたりつがれることを、わたしはねがってやみません。


 

目 次


      はじめに

      三びきの子犬

      一万四千キロの旅

      氷山が見えてきた

      十九頭の勇者たち

      ベック、死ぬんじゃないよ

      まっかな足あと

      SOS! こちら宗谷

      さよならの名札

      ゆるしてくれ、犬たちよ

      二つの黒い点

      たすけあったきょうだい


      南極まめ知識

 

著者紹介

 

画家紹介

画家紹介・日高康志(ひだか やすし)

 

本名 日高靖志。1951年宮崎県生まれ。洋画家の故・宮永岳彦画伯(二紀会理事長)に入門、内弟子となり、15年間修業。1976年二紀展絵画部門に初入選、以後毎年入選するほか、二紀選抜展、東京二紀賞受賞、古典多数。現在、二紀会同人。日本美術家連盟会員。おもな挿絵に 「帰ってきたジロー」 「郵便犬ポチの一生」 「ほんとうのハチ公物語」 「ゴリラのボスになった力三さん」 「おてんば盲導犬モア」 「えほん めをふさがれたいぬ じゅんぺい」 「えほん 盲導犬ベルナ1」 (ハート出版)など、多数。

 

読者の声

 

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