WGIP日本人を狂わせた洗脳工作

今なおはびこるGHQの罠

関野 通夫 著 2022.04.15 発行
ISBN 978-4-8024-0134-0 C0021 新書版 210ページ 定価 1100円(本体 1000円)

「はじめに」より抜粋

WGIP日本人を狂わせた洗脳工作 今なおはびこるGHQの罠

『日本人を狂わせた洗脳工作』を中心とした第一部では、国会図書館などから発掘した英語の原資料である「内部文書」をもとに、WGIP(War Guilt Information Programの略語)が実際にどのように発せられ、運用されてきたかを論じました。

私が「遅効性毒薬」と書いたWGIPは、アメリカ軍による占領期間中にだけ作用したのではなく、その後も、その効力を発揮したどころではなく現代においてむしろ深刻な問題を日本人に与え続けています。日本国憲法をどう見るかについても、保守の間でさえ、正しい見方ができる人は少なく、WGIPの影響は、まだ強く残っているか、場合によっては、その毒性を強め、問題はより深刻化してさえいます。

日本でWGIPを初めて取り上げたのは作家の江藤淳氏であり、次いで、教育問題の専門家である高橋史朗先生が言及しました。しかし、それぞれ英語の原資料を示さなかったため、歴史的事実として世間に定着しませんでした。

WGIPには二つの側面があります。まず一つが、江藤淳氏が、自著の名前に『閉された言語空間』と名付けた、検閲などの言論統制(一種の焚書を含む)。そして、もう一つが積極的な日本人洗脳工作です。私が今回言及したのは、こちらの面が主体でした。

その計画に基づいて、いわゆる「東京裁判」そして、「日本国憲法」という名の属国憲法、そしてサンフランシスコ講和条約十一条の半ば意図的な誤訳などが行われたのです。
また、広島の原爆慰霊碑に刻まれた言葉に、「アメリカ」という言葉は一切出てこず、これもGHQの工作があったのではないかと疑われます。

また『いまなお蔓延るWGIPの嘘』を中心とした第二部では、色々な国、国民の思考法の違いを論じており、一種の比較文化論になっています。これにより、今の日本の諸問題の根源がお分かりいただけるものと思います。

私が第二部で力を入れたのは、私が駐在したフランス、イラン、アメリカなどの人々の思考形態や行動形態の違いです。それらの例として、欧米のポピュラーミュージックの歌詞と、それをカバーした日本人歌手が歌った歌詞の違いを書きました。欧米の原曲に対し、日本の歌詞は、単なる翻訳ではなく全く違う筋書きになっているものもあります。私は、それらの原因を、それぞれの国の人達の思考形態や感性の違いによるものだと思います、それは、多くの日本人にとって初耳だったり、参考になることが多いと思っています。

日本の現状は、あらゆる分野で衰退し、このまま行けば滅亡する可能性さえあります。
その原因は、WGIPによる日本人洗脳にあります。今一度、日本国民はWGIPの害毒を再認識し、それらの洗脳から脱却すべきであり、そのためには本著で説明するWGIPの正体や害毒、そして日本人の思考形態を再認識してもらう必要があります。



※本書は『日本人を狂わせた洗脳工作』『いまなお蔓延るWGIPの嘘』(ともに自由社ブックレット)を統合、加筆修正して再構成したものです。



目次


はじめに

第一部 WGIPが謀略である証拠

第一章 未だ気づかれていない洗脳工作
 日本人を狂わせた根源的なもの
 友人の作家の慨嘆
 工学部系実験屋の習性
 不可解な「国連人権委員会」
 ジュネーブの「4ナイ」反日人士
第二章 内部文書「WGIP」の発見
 約二万五千点の文書を絞り込む
 「WGIP」とは何か?
 WGIPを実施したCIE(民間情報教育局)
第三章 洗脳と検閲の両面作戦
 表の洗脳・裏の検閲と焚書
 日本政府を前面に出した二人羽織
 東京裁判というショーウィンドー
 国会はABC級戦犯の遺族に年金を与えた
 三十項目の報道規制
第四章 発見文書から内容を読みとる
 WGIPがどのように進められたか
 広範で綿密な作戦
 いまなお続く刷り込みの効果
 CIEに与えられた役割
 WGIPが謀略である証拠
第五章 CIEと東京裁判との関係
 緊密な連携
 CIEによるメディア工作
 民間情報検閲支隊(Civil Censorship Detachment)
第六章 WGIPでCIEが懸念したこと
 原爆投下と東條陳述への懸念
 CIE(民間情報教育局)の対応策
 CIEの手先にされた朝日新聞
 四大教育指令
第七章 東京裁判に対するアンチテーゼ
 無罪を主張した人々
 マッカーサーも意見を変えた
 第八章 東京裁判における清瀬一郎弁護士の冒頭陳述
 格調高い戦犯無罪論

第二部 「遅効性毒薬」WGIP

第一章 自虐思想の成立と拡大
 自虐思想とは何か
 騙される日本人
 国際法に弱い日本人
 右脳思考と左脳思考
 騙す人たち
第二章 日本人が騙されるパターン──WGIP型
 ポツダム宣言を受諾して、日本は「無条件降伏した」という嘘
 東京裁判にまつわる嘘
 日本はサンフランシスコ平和条約で東京裁判を受け入れたという嘘
 日本軍は、南京で大虐殺をしたという嘘
 創氏改名で、朝鮮・韓国人の名を奪ったという嘘
 日米戦は、日本海軍による真珠湾攻撃から始まったという嘘
 日本国憲法は、日本人が正当に採択した「平和憲法」であるという嘘
第三章 日本人が騙されるパターン2──言霊信仰型
 国連は公明正大な国際機関だという嘘
 難民受け入れは人道的だという嘘
 安保法制は戦争法だという嘘
 ヘイトスピーチ対策法は人権を擁護するためのものだという嘘
第四章 日本人が騙されるパターン3──政府主導型
 日本は膨大な借金を抱えていて財政破綻するという嘘
 除染基準一ミリシーベルトは科学的根拠があるという嘘
第五章 欧米人と日本人の思考法の違い
 フランス人のデカルト型の思考法と、まず「ノン」の応答
 意外にウエットでローカルなアメリカの庶民
 親切そして隠れ親米もいた複雑なイラン人
 ベルギー人と韓国人の共通点──事大主義
 ドイツ人について──エロスセンターとガス室そしてVW社の問題
 洋楽の歌詞と日本語の歌詞の違いと国民性
第六章 日本人が騙されやすい理由と、その改善への提言
 WGIPを生んだアメリカ人の根源的思想
 日本人洗脳の効果──自虐思想の蔓延
 自虐思想が形成され拡大してきた要因(日本人側の内的要因)
 自虐思想の克服と脱却

おわりに



 

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