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■ ドキュメンタル童話シリーズ犬編 


麻薬探知犬アーク

ぼくたちが日本の子供を守る!

ぜったいに麻薬はゆるさない! 若者たちにしのびよる麻薬の“悪の手”
税関の頼れるスーパードッグが自慢の“鼻”で持ちこみを阻止する

東京税関推薦

小学校中学年以上向き


桑原 崇寿 作  2003.06.06 発行  

ISBN 4-89295-288-5 C8093 A5上製・176頁・定価 1320円(本体 1200円)

 

内容紹介

麻薬探知犬アーク

 

 麻薬というのは、日本のほか世界の国々が使用を禁止(制限)している薬物です。麻薬類は作ることも、売ることも、使うことも、持つことも国の法律で禁止されていて、犯罪になります。
 犬のニオイをかぎとる能力は、人間の3000倍から数万倍と言われています。また、科学的なニオイでは百万倍から一千万倍もの能力があるとされてます。とても人間がかなわない、ニオイをかぎ分ける犬の力を利用したのが、警察犬の中の「麻薬探知犬」です。
 本書は、成田空港で麻薬探知犬として活躍するアークの誕生から現在までを描く感動のドラマです。最近問題化している青少年の麻薬汚染に警笛を鳴らす異色作。
 

 

 

目 次

 

 

   アーク誕生

   むじゃきな子犬たち

   基本の服従訓練

   警察犬としての訓練

   税関の仕事と麻薬類

   麻薬探知犬訓練センターへ

   途中で帰される候補犬

   合格、そして別れ

   犬好きの新ハンドラー

   雲仙普賢岳の噴火

   初めて見た税関

   アークの返事

   先輩と後輩の新コンビ

   やったね、麻薬発見!

   ぜったい麻薬はゆるさない

   アーク、元気でがんばれよ

   あとがき

 

 

 

あとがき

  ◆ 麻薬類はぜったいダメ

 毎日のテレビニュースや新聞を見るのが怖くなってしまいます。今の日本は、想像できなかったほどの犯罪国になってしまったとつくづく思います。
 わたしが怒り腐心しているのは国内の犯罪の多発と増加、残忍きわまりない生命軽視の殺人事件などを含む犯罪の内容ですが、特にやりきれない思いで心を痛めているのは少年犯罪のいちじるしい増加と低年齢化で、二年前の警視庁の調べでは一五万件を越えているとのことです。
 小学生のうちから始まる万引きや、中学生のいじめや、オーバーヒートした集団による殺人、日常茶飯事になった中高生などによる引ったくりや強盗など、とても「少年」とは思えない犯罪行為の数々に唖然とし憤怒の激情にかられているのは、わたしだけではないと確信しております。
 もし、犯罪を犯して捕まった少年に「大人だって」と言われたら、わたしたち大人も返す言葉がないほど、確かに一般成人の犯罪の数も増えていますし、残忍きわまりない殺人犯や、社会人としてのモラルがいちじるしく欠落した悪い人間の数も激増しています。

 本書の執筆を思い立ったのは、国際的犯罪でもある麻薬・覚醒剤が、恐るべき早さで少年少女の低年齢層にまで広がってきているということに耐え難い危惧の念を抱いていたからです。
 麻薬・覚醒剤は常習化することによって、人の身も心もボロボロにするばかりか、犯罪へも駆り立ててしまいます。
 一般に薬物といわれているのはコカイン(クラック)、覚醒剤(スピード)、大麻(マリファナ)、向精神薬などの類ですが、今、中学生や高校生の低年齢層のあいだに急速に広がっています。
 厚生労働省では「薬物はダメ」とアピールするだけで、やってしまったばかりの人を指導するシステムや、すでに中毒者になった人の更生、療養施設を構築していないのが現状です。
 仮に、ある高校生の麻薬吸引が発覚すれば、おおむねは退学処分になるでしょうし、成人が「わたしは薬物をやっています」と警察へ出頭すれば、即犯罪者として逮捕されます。
 学舎を追われ、社会から追われた吸引者や常習者はどうすればいいのか……、反省の自覚を持ったとしても正しく指導するところもなければ、中毒患者(薬物依存症)にまで至った人の体を根治してくれる施設はないのです。日本の薬物における現状を考えると背筋が凍る思いがします。
 唯一存在するのが民間の「ダルク」という組織ですが、あくまで薬物をやめたい仲間の手助けをすることを目的に運営されているところで、法に添った更生施設でも専門病院でもないのです。
 では、前述の人たちはどうしたらよいのか? 自分自身と闘いながら一日も早く薬物を断ち切るしかないのです。通常、薬物を始めたことが周囲の人に分かると友人、知人はその人から離れていきます。さらに、やめられないで常習化してくると恋人や親、兄弟を含めた家族も離れ、やがてひとりになってしまいます。
 常習化すると薬物を買うためのお金が必要になり、相応に金額もふくらみます。したがってこういう「薬物依存症」といわれる人たちが犯罪者になったり、家族を苦しめることになるのです。
 依存症の人は(薬物を絶ちたい、全うな社会人に戻りたい)と、もがき苦しんでも「ひとりで」立ち直るしかないのです。薬物の「やめさせない」という魔力はあまりにも強大で、蟻地獄へ落ちて這い上がろうとするアリに、すり鉢状の巣の底から「コレデモカ、コレデモカ」と砂をかけて落下させられる図とまったく同じです。自力で這い上がれるアリ、つまり依存症から立ち直った人の数はきわめて少数と聞きます。それほどに薬物は恐ろしく、取り返しのつかない人生に誘い込んでしまうものと認識します。
 薬物吸引をした中学生一〇〇〇人のうちその九割が、「始めるきっかけは?」という問いに、仲間と喫煙しているうちにその一人がある日シンナーの類を持参したのが始まりだ――と答えたということです。
 「赤信号みんなで渡れば怖くない」式に、集団喫煙が薬物汚染の始まりということでしょう。
 海外旅行や留学先からでも麻薬を持ち帰れる、街を歩けば簡単に買える、今やインターネットからでも即購入できる――という恐ろしい時代です。

 本書は、大量の薬物が日本を襲う――という厳しい現況に立ち向かい、薬物の流入を完全阻止するために警察とともに闘っている取締機関である東京税関と同麻薬探知犬訓練センターの全面協力により、現場の最前線で「人犬一体」となって活躍する「筑紫貢ハンドラーとアーク号」のドキュメントです。
 全国各地の税関で働く麻薬探知犬は約一〇〇頭ほどですが、アーク号は東京税関で働いている三五頭の中の一頭です。
 ハンドラーと麻薬探知犬は通常、午前八時三〇分から午後四時三〇分までの間に、午前二回、午後三回の計五回の検査作業をするのが日課です。
 数多くの訓練所から選び抜かれた候補犬は同センターで厳しい訓練の後に審査され、「合格」した犬が晴れて麻薬探知犬になり、人間の嗅覚の数万倍という驚異的な嗅覚を「武器」にして働くわけです。
 ハンドラーは巧みな技術をもってその犬の能力を効率よく引き出して探索結果を出さなくてはなりません。したがって人と犬との絆、信頼関係が絶対条件になるわけで、特殊な感性と努力とを持ち合わせていないと務まりません。
 人類と犬との共生の歴史は一万三千年ほど前にさかのぼります。共生の原点は犬の持っているさまざまな能力を人が家畜として利用できたことです。古くは狩猟における猟犬、大型犬の力を利用した荷物運搬、犬ぞり犬、牧羊犬、近年になっては軍用犬、警察犬、盲導犬、聴導犬、介助犬、セラピードッグ、そして警察犬から独立したかたちの麻薬探知犬など、多方面において人は犬のすばらしい能力をうまく利用し、「使役犬」としてきました。
 もちろん、現今のドッグブームにみるペットとしての犬の存在とその価値も大変高いものがあります。
 しかし、視点を変えれば、わたしたちの心が癒されるペットとしての犬を含め、わたしたちは犬たちに「助けられている」と言えるのではないでしょうか。
 わたしは愛犬歴五六年になる犬好き人間のひとりで、わずかばかりの経験と多くの犬界各位のご協力とご支援によって、ドッグライターとして、犬本ひと筋の活動ができることに心から感謝しておりますが、実は併せて「犬たちに助けられている」ことを実感し、犬に感謝もしているのです。
 本書によって、一人でも多くの低年齢者層ならびにご両親、学童教育関係各位の方々に「第三次覚醒剤乱用期」と叫ばれている恐ろしい麻薬・覚醒剤の現実と、その防御策に汗している取締機関の税関、摘発のために現場の最前線で汗しているハンドラーと麻薬探知犬の存在とその実態を知っていただけたら幸いです。
 

 

著者紹介

 桑原崇寿(くわばら たかし) 

 

1941年、東京生まれ。愛犬歴58年のドッグライター。現在ラブラドール犬1頭と柴犬1頭、ミックス犬1頭と暮らしている。イラスト・出版業(有)タックイメージング経営。主な作品に 「捨て犬ポンタの遠い道」 「3本足のタロー」 「実験犬ラッキー」 「聴導犬コータ」 「盲導犬チャンピィ」 「身障犬ギブのおくりもの」 「捨て犬ユウヒの恩返し」 「2本足の犬 次朗」 「麻薬探知犬アーク」 「聴導犬ロッキー」 (ハート出版)「走れ! 哀犬ナナ」(新日本教育図書)、「がんばれブライアン」(小学館)、「壮絶捨て犬の母奮闘記」(誠文堂新光社)、「大きな犬を楽しくしつける」(草思社)など多数。

 

 

ニュース

2004.01.18

麻薬探知犬の本寄贈(千葉日報2004.01.18)

2003.09.01

「麻薬探知犬アーク」の紹介記事(全国教育新聞)

 

読者の声

 

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