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■ ドキュメンタル童話シリーズ犬編 


2本足の犬 次朗

セラピー犬にチャレンジ!

列車事故で後ろ足をなくしたが、ボランティアの介護で元気に快復…。
今では、病気に悩む人やリハビリ中の人を励ますセラピー犬に!

岩手県課題図書

日本図書館協会選定図書

小学校中学年以上向き


桑原 崇寿 作  2002.08.13 発行  

ISBN 4-89295-272-9 C8093 A5上製・160頁・定価 1320円(本体 1200円)

 

はじめに

2本足の犬 次朗──えらいワンちゃん!列車事故で後ろ足をなくしたが、ボランティアの介護で元気に快復…。今では、病気に悩む人やリハビリ中の人を励ますセラピー犬に!

 

 事故で両後肢を失いながら、老人ホームの老人たちの心を癒すセラピー犬として活躍する「次朗」の感動物語です。
 

 

 

目 次

 

 

セラピー犬    かわいい、もぐらの子

   病気だらけのピュウ太郎

   加藤みどりさんとの出会い

   お慈悲の心が捨て犬を救う

   近所に広がるボランティアの輪

   電車にひかれた犬の命は?

   朗らかに生きようね、次朗

   ベビーカー散歩のはじまりだ

   お母さんの田舎へクルマ旅

   施設のお年寄りと初対面

   ドッグ・セラピーって何?

   ぼくらアニマル慰問団

 

 

 

あとがき

  ◆ 犬って、人の心がわかるんだよ

 私が犬と出会ったのは小学一年生の時、家の近くで拾った子犬がはじめてでした。もう五五年も前のことです。友達とケンカをして負けた悔しさをなぐさめてくれたのは犬でした。父や母に叱られて泣いた時、(泣かないで…)と側にいてくれたのも犬でした。
 私の子供の頃を思いだす時、かならず私の家には犬がいて、犬との楽しい思い出が浮かんできます。その当時、日本が戦争に負けたことで、国中の人が貧しい暮らしをしなくてはなりませんでした。私の家もとても貧しく、父と母は私たち五人の子供を一生懸命に育ててくれました。
『漫画家になりたい!』と思った私は、中学二年生の時に新聞配達をしてお店からお金をもらいました。漫画を描くためのアメリカ製のペン先を買いたかったからです。母からもらったおこづかいでは買えないほど高いペン先だったのです。
 一六〇軒もの家の新聞配達はとても苦しかった。柔道着の帯のようなベルトを肩からつるすとズシンとその重さが体に伝わります。一年近く続けた頃、無理が重なって腎臓という体の大切な臓器を悪くしてしまい、三ヶ月も学校を休んでしまい、そのために高校へ進む試験を受けることができず、中学は卒業できたものの、病院から「家で完全に病気が治るまで休んでいなさい」と言われてしまい、一年ものあいだ体を治すために苦しみました。
 仲良しだった友達の多くは高校生になりましたが、私は薬を飲んで体を休めたり、軽い散歩をしたりする毎日でした。辛くて悲しいそんな生活にがまんできず、時々近くの草むらに行ってはひとりで泣いていました。
 (どうしてこんな体になっちまったんだ!)
 膝をかかえて泣いたり、青い空を見上げて涙を流したりしました。
 けれども私の横にはいつも犬がいました。犬に涙をなめてもらったこともあります。そんな時、私は決まって犬の首を両手でかかえこんで犬の顔を自分の顔に押し当てていました。犬の温かい体温が私の顔に、腕に伝わってきました。
 (犬って温かい! 犬って人の心がわかるんだ!)
 私は心の底からそう思い、犬から自分がなぐさめられていることを知って感謝しました。
 結婚して私は三人の男の子に恵まれました。もちろん、どの子供も赤ん坊の時から犬がいました。私は自分の経験から「犬は人間の最高の友達。だから子供たちにも犬は絶対に必要」と思ったからです。犬好きの人間に育った息子たちは、それぞれの家庭で犬を飼って暮らしています。
 犬という動物は人間が一番はじめに家畜として飼いならした動物で、二万年も前から人間と共に暮らしてきています。  人間が犬を飼うには食べ物を与えてやらなければなりません。犬はそのお礼として人間の生活の中でいろいろなことに役に立ってくれています。重い荷物を載せたソリを引いたり、羊をオオカミから守ったり、人を殺した犯人や麻薬という悪い薬を売ったりする人を警察の人と協力して捕まえたりします。
 また、五〇年くらい前から世界各国で目の不自由な人を安全に誘導する「盲導犬」や、足の不自由な人に力を貸す「介助犬」、地震や山での遭難者を救助する「災害救助犬」なども大活躍しています。
 私は、「犬のお話」をたくさん書いてきましたが、どのお話でも「人と犬とが仲良く楽しくいっしょに暮らすにはどんな飼い方をしなければいけないのか、どんな飼い主でなければならないのか」ということを考えて書いています。
 今、日本では犬をペットとして飼う人がとても多くなり、各役所から国に届けられている数は一千万匹を越えています。家庭で犬を飼うと家の中がとても明るくなり、家族の人たちの心をとても優しくします。
 しかし、残念ながら良い飼い主ばかりではないのです。犬を古くなったぬいぐるみや人形のように捨てたり、飼えなくなったからといって保健所へ連れていって殺処分してしまう人や、飼い方が悪いために逃げられてしまったり、子犬をたくさん産ませてしまって困ってしまい、箱に入れて川に流したり、林の中に捨てたりする人も多くいるのです。
 中には「年をとって目が見えなくなってヨボヨボにもなったから」と勝手なことを言って役所に不用犬として持ちこんだりする人もいます。
 犬が好きな私とすれば、このような飼い主の人たちは許せません。なぜ飼い主といっしょに何年間も生きてきたペットの犬にこのようなことをするのでしょう?
 まだ、目の開かない子犬にも寝たきりになった老犬にも『命』があるのです。
「犬だから」と言って人間が自分の勝手でその命を奪うようなことをしてしまってよいのでしょうか? 絶対にいけないのです。
 二〇〇〇年の十二月に『動物愛護法』という国の法律が新しくなり、犬を捨てたり虐待することを禁止し、厳しい罰を受けるようになりました。それでも一年にまだ三〇万匹の犬が殺処分されているのです。本当に悲しいことです。
 この本の主人公「次朗」と名づけられた犬は、捨てられた犬なのか、逃げ出した犬なのかはわかりませんが、不幸なことに電車に後ろの両足を切断されたところを、犬好きの人たちの協力と温かい愛情とで命が助かりました。
 保護してから次朗を飼い続けているのは埼玉県のある町に住む戸川由起子さん。
 次朗を保護するまでにすでに不幸な犬を八十匹も助けた保護活動家の戸川さんは、九年前に一匹の捨てられた子犬を拾って飼ったことから、この活動をはじめたそうです。
 この本は、戸川さんから聞いた「次朗の命を助けて元気な犬にしたまで」をまとめたお話ですが、このお話から私たちはどんなことを知ることができるでしょうか? 考えてください。
 私は次朗の命を助けた由起子さんと、助けてもらった命を必死に守りがんばった次朗に、心をこめてこの本を贈りたいと思います。
 また、戸川さんと次朗が太い絆を結んで、体の不自由なお年寄りの人たちのために働くボランティア活動が多くの人々から喜ばれ、すばらしい輪となって広がっていくことをお祈り致します。

“がんばれ! 戸川さん”
“がんばれ! 次朗”
 

 

著者紹介

 桑原崇寿(くわばら たかし) 

 

1941年、東京生まれ。愛犬歴58年のドッグライター。現在ラブラドール犬1頭と柴犬1頭、ミックス犬1頭と暮らしている。イラスト・出版業(有)タックイメージング経営。主な作品に 「捨て犬ポンタの遠い道」 「3本足のタロー」 「実験犬ラッキー」 「聴導犬コータ」 「盲導犬チャンピィ」 「身障犬ギブのおくりもの」 「捨て犬ユウヒの恩返し」 「2本足の犬 次朗」 「麻薬探知犬アーク」 「聴導犬ロッキー」 (ハート出版)「走れ! 哀犬ナナ」(新日本教育図書)、「がんばれブライアン」(小学館)、「壮絶捨て犬の母奮闘記」(誠文堂新光社)、「大きな犬を楽しくしつける」(草思社)など多数。

 

 

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