
近現代史の真相を知って日本人の誇りと魂の復活を
第二次世界大戦終了後、日本人を精神的に武装解除するために、米国は徹底的に日本の歴史をねじ曲げた。世界の歴史を見れば明らかなように、勝者は敗者の復活を阻止するために、敗者の歴史を否定することで民族の尊厳と独立を奪うのが定石だった。
例えばシナでは、『史記』、『漢書』、『元史』、『明史』、等の例に見るように、王朝が変わる毎に歴史は古代に遡って全面的に書き換えられた。従って、史書としての一貫性は完全に失われてしまっている。欧州においても同様である。唯一の例外は日本である。神武天皇即位以来の二千数百年に及ぶ歴史の中で、日本は「万世一系」の皇室を維持して独立の主権国家として世界に誇る民族文化を育んできた。
それが、米国のWGIP(戦争責任情報プログラム。全て日本が悪かったので米国が正義の鉄槌を下したというプロパガンダ)によって大幅に書き換えられて、日本人の民族性にまで悪影響を与えつつある。本書は歴史の真相を明らかにすることによって、そのような傾向を阻止しようとするものである。
歴史の真相を調べてみると、日本国民は大東亜戦争の経緯について後ろめたく思ったり、自虐史観に苛まれたりする理由は全くないことがわかる。しかし、学校の教科書にはいまだに終戦直後にGHQが押し付けたプロパガンダに基づく要綱が生きているので、そうした内容を学校で教えてもらえることはない。
自虐史観の影響
日本国民は、戦後七十余年もたった現在でも自虐史観に苛まれて委縮したままでいる。例えば、改憲問題においては日本のほとんど全部の憲法学者が改憲に反対という「金太郎あめ現象」が起きている。日本は侵略をした悪い国なのだから、二度と戦争ができないようにしたマッカーサー憲法は絶対に改正すべきではない、という結論が先ずありきなのだ。
第九条二項は国民に自殺を強要するに等しい条項だから、第十一条(国民の基本的人権の尊重)第十三条(幸福追求権)と矛盾するし、自然法の理論からいっても有効なわけがない。つまり彼らの護憲論は彼らの誤った歴史認識から来るもので、専門の法理論的考察に基づいてそうした結論を出しているわけではない。
左翼的教育体制も自虐史観の影響である。日教組と文部科学省による教科書検定方針の悪影響は、戦後七十余年を経ても是正されないで、自虐史観に取りつかれた無気力の若者をせっせと再生産している。ユネスコが南京事件や慰安婦事件を世界記憶遺産に登録する問題が起きているが、日本の文科省の方が大きな問題だ。
筆者は商社マン(伊藤忠商事)から研究職(国際大学グローコム教授)に転身した。仕事の上で経済学、経営学、財政学、法律学、情報社会論、国際政治学、更には安全保障政策論に関する近現代史の研究を幅広く行う必要があった(現在、筆者は社会科学のジェネラリストを自任している)。研究を進める中で、どうにもおかしいと思えることにしばしば遭遇した。
多くの資料にあたって研究してゆく中で、自分がこれまで受けてきた教育には多くの重大な誤りがあること、及び、そのような偏向教育がいまだに是正もされずに続いていることを知るに至った。あまりのことに愕然としたものだ。ほとんど全部の日本人は、不勉強のそしりは免れないにしても、未だにWGIPの影響下にある。日教組の左傾化教育のおかげで、日本人は近現代史の真相を知る機会を全く奪われてきているのだ。
*こちらの商品は2017年7月刊「日本人を精神的武装解除するために アメリカがねじ曲げた日本の歴史」を新書化したものです。






